変態なモブ達によって自分達の隠してた想いをバラされた🦈🐬「お前達、仕事の時間ですよ」
アズールが双子達に言うと普段なら笑顔で肯定する双子が、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「はぁ...最近どうしたんですか。仕事が終わると疲れた表情を良く浮かべてますね」
アズールの言葉にフロイドがだってぇ、と言いながらアズールのしかかる。
「うぐっ」
「最近の雑魚共何かヘンなんだもん...」
「そうですね...」
「ぐっ...変とはどんな感じですか?」
アズールはフロイドから押し潰され無いように力を入れながら2人の言葉に問いかける。
「普通ならオレ達が来た時点で青ざめたり逃げようとするヤツが多いんだけどさぁ」
「最近は少し違いまして...何故か僕達が来ると勢い良く僕達の前に正座して嬉しそうに見上げてくるんですよ」
「んで、オレ等が絞めるとなぁんでかありがとうとかご褒美ですとか意味わかんねぇ事言いながら対価を渡してくんの」
「更に不思議なのがその方達全員キチンと対価を持った状態でして、僕達を待っていて絞めるまでその対価を隠しているんですよ…」
双子の言葉にアズールは不快そうな表情を浮かべた。
「ふむ…貴方達は学園内でも綺麗な分類に入りますからね…特殊な性癖の方が2人に絞められたくて態と契約して来ている可能性もありますね」
「「とくしゅなせいへき?」」
フロイドとジェイドがポカンとした表情で同じ向きに首を傾げるとアズールは少し言いずらそうにしながらも口を開く。
「所謂あれですよ…貴方達に合法的に触れられたり近付かれたいと思う変態達です」
その言葉に2人は更に不快そうに顔を歪ませる。
「うげっ、そんな変なヤツがいるのぉ?」
「全くです…何故190cmの同性に触れられたいと思うのでしょうか」
「どこか目を引く雰囲気なんでしょうね、僕には分かりませんけど」
「ジェイドがそういう雰囲気なのはわかるけどさぁ、オレは有り得ねえじゃん」
「?何故僕なのです?」
キョトンとした顔でジェイドはフロイドを見つめる。
「なんだっけ、クラスの雑魚や部活のセンパイ?達がジェイドの事”ミボージン”っぽくてエロいって話してるの聞いたから」
「”ミボージン”…?初めて聞く言葉ですね」
2人がキャイキャイ話しているとアズールは片手で顔を覆う。
「ミボージンではなく未亡人ですよ。簡単に言ってしまうと番になった2匹がオスに先立たれてしまったメスの状態ですね」
その言葉にますます2人は困惑の表情を浮かべた。
「その未亡人?ってやつになんでジェイドが当てはまるの?エロいのは確かだけど」
「そうですね…僕の何処が未亡人っぽいのでしょうか?それとフロイド、僕はエロく有りません」
ジェイドがジト目でフロイドを見つめる。アズールは顎に手をやりながらジェイドを見やる。
「ふむ…普段物腰穏やかな所と目つきではないでしょうか」
何を思ってるのか”僕は”知りませんがお前は時々寂しげな目をしますので。
アズールの言葉にフロイドが反応した。
「何ジェイド!?オレが居るのに寂しかったの、オレだけじゃだめなの?オレ以外に大切なヤツが出来たの?ならソイツを海の底に沈めてジェイドがオレの前から逃げないように尾鰭を動かせねえ様に切らねえと」
「お、落ち着いてくださいフロイドっ!」
ハイライトの消えた瞳でフロイドはジェイドの胸元を掴みノンブレスで言い切りすぐさま実行に移そうとジェイドを抱きかかえようとする。
最初はフロイドが何を言っているのかあまり理解できてなかったジェイドだが、フロイドの言葉を飲み込むと耳まで真っ赤に染めながらフロイドの頭を強く叩く。
「い”っ!?酷いじゃんジェイドォ…ってジェイド顔真っ赤じゃん」
「此方の意見も聞いてくれないからですよ」
軽く頬を膨らませながらジェイドは潤んだ目でフロイドを睨むが涙目で顔を赤らめた状態で睨まれてもフロイドに効くのは下半身だけ。
「んー…ジェイドもしかしてオレの事好き?」
「…黙秘します」
ツンっとそっぽ向いたジェイドにフロイドはニヤつく。
2人だけの空間を引き裂くようにアズールは手を大きく叩いた。
「お前達、イチャつくのは良いですがそれは仕事が終わってからにしてください。それと今日の滞納者は此方です」
何枚かの個人情報が乗った書類を渡されて2人は顔を近付けて眺める。
アズールはやっと双子の関係に進展がありそうな事に安堵の感情と、態と対価を払わない滞納者達の思考がこれから思うように動かないであろうとほくそ笑んだ。
(貴方達がこれからどれだけ滞納して絞められても、この双子は2人だけの空間に入るでしょうし滞納者がどんな顔を浮かべているかも気付かないでしょうね)
「…本当にバカで愚かなヒト達だ」
アズールはクスリと笑うとその場から去っていった。