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    ふみつき

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    Twitter:@fumituki_irr
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    ふみつき

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    雛生存if(土雛前提モブ雛)

    ゲストルーム(仮)私がこちらの男買取ってもよろしくて?

    皆 今回のギャンブルに興醒めしているしている頃、1人の仮面を被った女性が声を上げた
    「皆様もう飽きましたでしょう?死んだも同然の男どう扱っても宜しくなくて?」
    「ああ確かに…」「まぁ飽きたしな」「もう死んでるんじゃないの?」等と各々ボヤき始めた。
    「申し訳ございませんが、奥様…困ります…勝敗g」
    と特5の周防がそっと止めに入ると大量の札を気前よく差し出す。
    「これで、何とかしてくださらないかしら?」
    ニコッと妖艶な笑みを浮かべ女性の手にキスを返し「仰せの通りに」とその場に居る仮面の貴賓達にアナウンスする。
    「お集まりの皆様…」

    ーーーーー
    「ここは…?」
    「ははっ、死後の世界ってやつか?随分と現実味溢れてるな…」
    ベットの上でボヤいていると見覚えのない女性が近づいてくる。

    「起きました?気分はどうかしら…一応治療はして頂いたのだけど…?」
    心配そうに自分の顔を覗き込み頬を触られる。
    なんだコイツ。

    「ここは…」
    あっ、と説明を忘れてたわと言わんばかりの女性の声に耳をすませつつ当たりを見渡した。
    自分の描いた絵画が飾ってある…それも沢山。
    「私ね、貴方の絵のファンなの。まさかギャンブラーだったなんて思いもしませんでしたわ」
    「…それで俺を生かした…と?」
    「まぁ!ここは死後の世界ですのよ」
    とクスクス冗談まじりに話す女性。どうやらファンというのは本当らしい 表向きに描いた絵も有れば個人に発注されて制作した絵も飾ってある。
    「貴方はこの世界では死んだことになっているの。だからもう外にも出れないし、お友達にも会えない」
    友達…と言われても別に誰とも交流は無い…が…
    「はぁ…」
    余計なお世話だったかしら…と肩を竦める女性に
    「いいえ、助かります。それで俺は此処で何をすればいいんですか?」
    どうせずっと私の為に絵をかけとかいうんだろ等と考えていた雛形に
    「好きに生きて下さい」
    何言ってるんだ?この女…
    「外には出れないけれど屋敷の中は自由にして頂いて大丈夫。ご飯も好きな時に食べて貰って構いませんわ」
    なんという好条件…つまりは箱庭で生きていろと言う話か。
    特に外に興味のない雛形にとっては楽園のような世界だった。
    「分かりました。あの…画材なんかは…あれとか使っても良い…ですか?」
    窓辺に置いてあるイーゼルや、まだ使用されてないキャンバスを指差し問う
    女主人らしき人物は嬉しそうな顔を浮かべ
    手を取り喜んでいた。
    「もちろんです!何が必要かわからなかったので手当り次第買いましたの!足りなければ言ってくださいね!」
    嬉しい…!と言いながら我に返ったように
    隣に座って居たベットから立ち
    「私ったらごめんなさいね起きたばかりでお疲れだと思いますのに…」
    「いいえ、何もかもありがとうございます。これからよろしくお願いします」
    ぺこりと頭を下げ部屋から居なくなる主人をその場で見送った


    ーーーーー

    ここに来て何日経っただろうか…
    色々やってくれる給仕の人達にも慣れ、
    作品に没頭出来る時間も増え何不自由ない暮らしをしているのは事実だ。
    だが、何か足り無い…
    今日も出された軽めのモーニングを何も言わず腹に入れる
    「焼き鮭が食べたい…」
    ボソリと聞こえるか聞こえないかのボヤキが出た。
    うるさいあいつが作ったちょっと塩辛い焼き鮭が。
    そう言えば最後に食べたのはいつだっけ。
    あのゲームの前だったか、その前か。
    考えても俺はもう死んでる存在だから
    食べれないのにな。

    (生きてるのかな…)

    ガラス越しに必死に俺に許しを乞う土屋田の姿とその後主任がやって来て連れ帰った姿を思い出し、筆を進める。
    あのゲームの後描いた自画像は俺の生涯で描いた最高傑作だそれを抜くものなんて描けない…
    ペタペタと今までの事を振り返りながら自塗りの終えたカラフルなキャンバスに形を与えていく、比較的大きい絵を描いているというのに不思議と空腹感や疲労感は感じない。
    「おい、飯食え死ぬぞ」
    あいつの声が聞こえた気がした。
    確かに腹が空いた気がする…もう夜か。
    小さいテーブルに夜食と手紙がそっと置いてあった。

    手紙には【焼き鮭が食べたいと仰っていたと聞いたので本日は日本食でございます。暖かいものをと思ったのですが作品に集中していたため勝手ながら食べやすいかと思い握り飯にさせて頂きました。】と書かれていた。
    そんなこと言ったっけ…と考えながらおにぎりを手に足り1口頬張り、自分の描いたキャンバスに遠目から目をやる
    「…」
    それはずっと考えていた男の顔。
    いまでは会えない俺のうるさい作品。
    はぁ…

    「しょっぱい…」

    静かな夜のアトリエにまた1枚絵画が増えた。
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