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    pkrokumn

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    冒頭、というか導入シーンのみ。
    つづきがえっちなシーンしかない。完成後はpixivにアップします。

    台風なのでペパセンの部屋で一日中セックスする主ペパ(ハルペパ)の冒頭 ぼつ、ぼつっ、と窓を叩くのは、ビー玉のように大きな雨粒だ。勢いよくぶつかり弾けて、ガラスに水滴を作っている。ごうごうとうねりを上げる風が、木枠をがたがたと揺らした。
    「あ」
     ハルトが短く声をあげた。その声に反応して、キッチンでトマトを切っていたペパーの手が止まる。
    「どうした?」
     顔を上げてみると、彼はベッドの縁にもたれ、窓の外をぼんやりと眺めていた。何かを追っているのか、黒目がキョロキョロと動いている。
    「ハネッコ。 色違いだったかも、って」
     そう言って、ハルトはベッドへと身を投げた。その衝動に、床で寝ていたマフィティフの耳がピクリと動く。スマホロトムをいじり始めたハルトに、会話が終わったことを悟ったペパーは、手元に視線を戻し、包丁を持ち直した。

    「今日の課外授業は、残念ながら延期になりましたぁ」
     白衣を着崩した担任がやってくるなりそう告げたのは、つい今朝のことだった。教室内からは落胆の声が上がり、彼は申し訳なさそうに無造作な頭を掻いた。ハルトも気落ちしたものの、納得はしていた。なにせ外は、見たこともないようなものすごい嵐だったのだから。ざわめきが落ち着く頃合いを図り、担任はつづけた。
    「プリントを配るので、各自でやってくださいねぇ。 くれぐれも、外に出たりなんてしないように」
     ハネッコみたいに飛ばされちゃいますよお、と、担任は冗談なのか、本気なのかわからないことを付け足した。実際、たくさん飛んでいるのだが。
     自由のないアカデミーは、ハルトにとって大層窮屈だった。座学が嫌いなわけではないが、強制されるのは苦手だ。かといって、流石に外を出歩いたりはしないが。なにか楽しめることはないだろうかと思考を巡らせるうちに、とあることを思いついた。まるで宝物を見つけたように瞳を輝かせながら、ハルトは自室を飛び出した。

    「出来たぞ」
     その一声で、ハルトは起き上がった。サイドテーブルには二人分のサンドイッチが置かれていた。マーマレードとチーズが挟まれた、ハルト気に入りのレシピだ。いただきます、と手を合わせてから、両手で持ったそれにかぶりつく。彼が食べ始めるのを見届けてから、ペパーも自分の皿に手をつけた。
    「まさか本当に来ちまうとはなぁ」
     そう言ってからペパーは、呼吸ともとれるほどの小さなため息をつく。つい先刻、課題に追われるペパーに連絡が届いたのは、目の前でサンドを頬張る彼からだった。これから遊びに行く、とだけ書かれているメッセージに、ペパーは送る相手を間違えたか、と思い至った。アカデミーの寮は学年ごとに分かれていて、知り合いであれ勝手に出入りはできない。ネモかボタン宛だったのだろうと決めつけて、ペパーはすっかり返事を忘れていた。そのうちコンコン、と、行儀の良いノックが聞こえ、開けた扉の先には件の彼がいたのだった。
    「だって、暇なんだもん。 ネモとボタンは、リーグの会議でいなくなっちゃうし」
     しばらく咀嚼し、飲み込んでからハルトは答えた。なるほど、それでオレというわけか。腑には落ちたが、彼女らの代替え品のようで少し面白くない。それでも親友が訪ねてきて、つい尻尾を振って喜んでしまう自分もいる。ペパーは今度こそ、はっきりとため息をついた。
    「…つくづくオレも甘ちゃんだぜ」

    「ご馳走様でした。 おいしかった」
     ぱん、と手を合わせるハルトのはつらつさに、ペパーはふっ、と笑みをこぼした。サンドイッチは中々のボリュームだったが、見た目以上によく食べる彼にとっては造作もないらしい。ペパーは彼が食べるところを眺めるのが、好きだった。
     立ち上がったハルトはキッチンへと向かい、後片付けを始めた。ペパーは遠慮したが譲らなかったので、大人しく任せることにした。テキパキと器具を洗い、余った食材を収納していく。手際の良さは、勝手知ったる他人の家といった具合だ。実のところ、ハルトはこの部屋には何度も足を運んでいる。
     ペパーが最後の一口を飲みこんだ頃、ちょうどハルトが戻ってくる。そのままベッドへ寝転がると思いきや、椅子に腰掛けたペパーに抱きついた。まるで子供のようなスキンシップだ。ペパーは彼に、ちょうど父が子にするように、背をぽんぽんと叩いた。すると一層強く身体を押し付けてくるのだが、二の腕のあたりに、何か硬いものが当たった。否、当てられていた。それに気付いて、ペパーの心臓は一度止まってから、どっどっ、と助走をつけて鳴り出す。
    「……したくなっちゃった」
     ほんの少し申し訳なさそうな、それでいて、甘えるような口ぶり。可愛げせているが、おねだりなどではない。彼の中ではもう決まっていることなのだ。ペパーも分かっていた。しかし彼の――頼れる兄貴分でありたいという、半ばプライドにも似た感情が、流されまいと悪あがきをさせる。それが、ほとんど意味のなさないものだとしても。
    「……課題、あるだろ」
     ようやく絞り出したのは、我ながらお粗末な返答だ。こんなもので彼が止まるはずはないのに。当然ハルトには、いともたやすくかわされてしまう。
    「もう終わった」
     ――真面目ちゃんめ、とペパーは声に出さずにぼやいた。それが聞こえたのかそうでないのか、ハルトはペパーの顔を覗きこんだ。栗色の大きな瞳が、まるで狙いを定めたように真っ直ぐと向けられて、ペパーは少しも動けなかった。まさに蛇に睨まれた蛙だ。
     籠城を解かないペパーに、ハルトは次の一手を打つ。巻きつけた腕をほどき、左手を彼の身体を這わせ始めたのだ。肩から上腕、肘から手首へ。するすると蛇のようにねっとりと肌を伝う。そわそわとシャツが波打ち、やがて肌と肌が触れた。ペパーの肩がぴくっ、と跳ねる。
    「っオレは、あるんだよ。 ……補習分も含めて」
    「じゃあ、後でやらなきゃね」
     ハルトは他人事のように――実際そうではあるのだが、彼の抵抗などものともせず、手の甲を撫でさする。すりすりと擦られたところが疼いて、いやに熱い。ハルトの手は一回りも大きいペパーのそれを完璧に組み敷いていた。やがて丸みを帯びた少年の指は水かきに差しこまれて、優しく抽送をはじめた。瞬間、ぞわぞわとこみ上げるような感覚に、ペパーの呼吸が乱れ出す。
    「ん、っ………ぅ、っ……」
     皮膚の薄い股を、甲の筋を、柔らかな指腹が這い回る。その度に道理のわからない快感に襲われる。くすぐったくて逃げたいのに、離れてほしくない。これ以上しないで、もっと触って。そんな矛盾だらけの感覚は、ペパーをどんどんと追い詰めた。
     余裕のない彼を見て、ハルトは最後の仕上げにかかった。無防備にさらされた左耳に唇を寄せて、わざと湿っぽい息をかけながら囁く。
    「先輩……エッチ、しよ?」
     とどめの一撃だった。それは、鼓膜を通って、脳まで揺らすほどの強烈な振動だ。ペパーが作った仮初のシェルターはがらがらと崩れ落ち、彼そのものがあっけなく晒された。あとはもう、剥き出しの実を食らうのみだ。彼のプライドが許さないのなら、こちらがお膳立てしてあげればいい。ハルトはペパーの泣き所を十二分に知っていた。二人が親友の域を越えた仲となってから何度も身体を重ねたが、今だに初々しさの残る彼のことを、ハルトは愛しいと思っている。そんな彼の、とってつけた外郭を破り、甘やかし、ぐずぐずに溶かすことが何よりも好きだった。
     重ねた手を掴んで促すと、思いのほかスムーズに、ペパーは立ち上がった。まるで手綱のようだ。同じ要領で引っぱれば素直についてくる。その姿がいじらしくて、自分より高い彼の頭を、ハルト優しく撫でた。ペパーはやはり俯いたままで、しかし熱を孕んだ瞳だけは、真っ直ぐとハルトに向けていた。

    (つづく)






     
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