台風なのでペパセンの部屋で一日中セックスする主ペパ(ハルペパ)の冒頭 ぼつ、ぼつっ、と窓を叩くのは、ビー玉のように大きな雨粒だ。勢いよくぶつかり弾けて、ガラスに水滴を作っている。ごうごうとうねりを上げる風が、木枠をがたがたと揺らした。
「あ」
ハルトが短く声をあげた。その声に反応して、キッチンでトマトを切っていたペパーの手が止まる。
「どうした?」
顔を上げてみると、彼はベッドの縁にもたれ、窓の外をぼんやりと眺めていた。何かを追っているのか、黒目がキョロキョロと動いている。
「ハネッコ。 色違いだったかも、って」
そう言って、ハルトはベッドへと身を投げた。その衝動に、床で寝ていたマフィティフの耳がピクリと動く。スマホロトムをいじり始めたハルトに、会話が終わったことを悟ったペパーは、手元に視線を戻し、包丁を持ち直した。
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