お題『キラキラ』 とあるビルの屋上で、降谷は双眼鏡を片手に不服そうに言った。
「本当にこの場所でいいんですか?」
「ああ。ここからなら、標的に気づかれずに狙撃もできるからな」
組織の残党たちが落ち合うとされているビルから何百メートルも離れた場所で、赤井は降谷とともに待機していた。
予定の時刻になったら、現場のビルを監視するのが今回の自分たちの役目なのだが、残党たちはライとバーボンの顔を知っている可能性があるからと、公安やFBIの他のメンバーと異なり、現場からは距離を置かなくてはならなかった。「君は、警察庁のモニターで監視していればいい」と赤井は降谷に言ったが、降谷は首を縦には振らず、「あなたに付いて行きます」と言った。安全な場所から指示だけを出すやり方を、降谷は好まないのだろう。赤井は降谷の意思を尊重した。
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