Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    tukikine_

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 17

    tukikine_

    ☆quiet follow

    字書き初心者です何卒…🔰
    CP要素はほとんどないと思います。

    #角都
    kakadu
    #飛段
    flyingSection
    #NARUTO
    #ナルト
    naruto

    角都と飛段聞いているのか、飛段。

    ッ

    いつの間にか寝ていたらしい。
    淡々として小難しい話を聞いていたら
    急に眠気が襲ってきたのだ。

    はぁ、ちゃんと聞いておけ。
    次の任務はーーー

    感情を表に出さないオレンジ髪の男はまた
    つらつらと話し始めた。

    溜息をつきたいのは此方の方だ。
    いつもいつも難しい言葉ばかり使い、
    煽って来るような態度をとる。
    それにいちいちイラついてしまう方も悪いかもしれないが
    それをわざとやっているということがとても気に食わない。
    理想ばかりを並べ、オレたちをこき使う。
    何が【全ての戦争をコントロールする】だ。
    最近は大きな戦争にも出れず相方の金儲けに付き合うだけの日々ではないか。

    ーーー以上だ。頼んだぞ。飛段、角都。

    通信が切れ、やっと終わったかと思っていると
    相変わらず無愛想な男がこちらを見る。

    どうせ話もろくに聞いていなかったのだろう。
    いくぞ。
    …戦争だ。

    …

    尾獣は集め終え、金も溜まったらしい。
    ここからは戦争、戦争、戦争。
    やっと暴れられるのだ。

    よっしゃぁぁぁ
    このときを待ってたぜぇ

    金にしか興味のないこの男も嬉しいようで
    珍しく上機嫌な顔をしてふん、と鼻を鳴らした。
    まぁ他人には分からないような僅かな違いかもしれないが。

    向かうは木ノ葉。
    とはいえリーダーがまっさらな土地にしてしまったために
    顔岩以外もう原型は留めていない。
    あの戦いで九尾の人柱力は死んだ。
    …と言うより捕まり、尾獣を抜かれた。
    被害の大きさから、里の復興もほとんど進んでいないそうだ。
    今回は木ノ葉に恨みを持っていた小国の反乱に加わるといったもの。
    復興が進んでないとはいえ木ノ葉は強者ばかり。
    暁に依頼するのも当然の話だった。

    なぁ角都、
    お前、なんで来てくれなかったんだ?

    …ん?オレは何を言っている?
    角都は眉間にしわを寄せこちらを見る。

    何の話だ。

    …いや…なんでもない。

    何故自分も分からぬようなことを口走ったのか、
    いつも後先考えずに思ったことが口から出てしまう飛段には
    どれだけ考えようと答えは出なかった。

    だから少し寂しく感じたこの一瞬を
    自分を置いていくように前を歩く角都に
    ついて行くことに必死だからだと思いたかった。


    此奴は何の話をしているんだ。
    自分の言った言葉に疑問を持つような顔をして悩む男に呆れた。
    本当に何を考えているか分かりやすく、分かりにくい人間だ。
    だが、ふと謝罪の言葉が浮かんだ自分にも疑問を覚えた。

    そして広く生い茂った森を抜け酷く乾燥した地に入った。
    枯れ果てた木々。ほとんど人が立ち入らないような更地。
    先程までの土地に生気を奪われているのではないかと思うくらい静かだ。
    2人の足音が互いの耳に届く前に風に吹き消されるような、
    そんな土地だった。

    木ノ葉を目前にテンションを上げ、
    脳天気な男は先を急ぐ。

    いつものように溜息をつきながら
    後を追おうとしたがそこでぴたりと足が止まった。
    それが自分の意思か反射的なものなのか
    分からぬうちに相方の声がする。

    おい!何してんだよ!早く行くぞ!

    ハッとして文句垂れる男の背中を追う。

    お前がよそ見なんて珍しいじゃねぇか。

    まぁ、な。


    顔岩が見えてきた。
    初代火影の顔岩。
    あの日のことは今でもはっきり覚えている。
    初代火影と戦った時から俺の人生は終わっていたのだ。
    火影暗殺の任務を失敗して帰還し、
    里の者は酷く俺を責めた。
    あれから何も信頼できず里を切り
    金だけが目に見える、信頼出来るものだと執着した。
    そして意味もなく他人の命を奪い延命し続けてきた。
    何となく、今はまだ死にたくないと思っていたのだろう。
    自分より弱い相手に殺されるのは、癪だった。
    もしかすると殺されても仕方が無いと思えるような人間に
    殺されるのを待っていたのかもしれない。
    だがその死んだ己を、終わった人生を
    また少しはマシかもしれないと思ってしまったのは
    きっと飛段のせいだ。
    殺さなくていい相手、自分を殺してくれる相手、
    自分を殺させてもいいと思える相手。
    その関係に安堵していた。
    だがどれも認めるには
    心臓とともに己の体にプライドを詰め込みすぎた。
    でももう少しくらい素直になってもいいのかもしれない。

    いや、まだゆっくり、ゆっくり、
    時間をかけて此奴が自分の心を溶かしてくれるのを
    待っていればいいか。



    もう時間は有限では無いのだ。



    あの更地で見たのは大きな大きな地形の窪みだった。
    気づきたくなかった。知らないフリをした。













































































    俺達はもう死んでしまったんだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works