朝チュン鳴夏「……夏海、夏海」
あれ、部長の声がする。昨日泊まったんだっけ、泊めたんだっけ。
寝覚めが悪いほうではないけれど、こういう風に人に起こされたときは中々起きられなくて、頭がぼんやりしてしまう。
「ん……んん……?」
「おはよう。食パン焼いたから呼びに来たよ。」
「あ……ありがとうございます」
部長を無視するわけにもいかないのでとりあえず体を起こすと、最後まで準備が終わった後に呼びに来たのか、バターを持った部長がベッドのすぐ脇に立っていた。たしかに部長自身やドアの隙間から香ばしい匂いが漂ってくる気がする。
おはようと言われたときには分からなかったけれど、カーテン全開の窓から朝日が部屋中に満ちていた。この日差しの強さは多分七時から八時。日光を浴びたことで少しずつ頭が冴えていくのを感じた。
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