君と未来 1ひとりになると、ふと思い出す。
いつも見ていたアイツの横顔。
もう会えない、私の初恋の人。
***
学校も練習もない、休日の午後。
「ねぇ、ほまれ」
学年もひとつ上がり、ほまれはスポーツ特進クラスに戻った。
そのせいか、学校では格段に会う機会が減り、久しぶりに会ったさあや。
今までと何も変わらないふたり。
カフェでたわいもない話をして、笑い合う。
「変なこと、言うかもしれないんだけど」
少しの沈黙の後、急にさあやの笑顔が消えてが真面目に話し出す。
「ん?」
並んだ紅茶と食べかけのケーキ。
「私…ルールーたちが未来に帰ってから、ずっと気になってた事があるんだ」
もう懐かしその名前。
ほまれはそれを聞いて、ケーキを食べていた手を止める。
1966