星屑の子供「こっちを向いて両手を上に。ゆっくりとだよ」
「……………………」
ドクタールイージの要求にエルは無言。しかしながら胸元へ真っ直ぐに向けられる銃口を認識し、エルはドクタールイージの方へ体ごと振り向くと、その言葉に従った。
肩より上に上げられた両の手の平。それを確認した後に、ドクタールイージは一歩一歩と近付いていく。そのままエルの目の前とまで歩むと、エルの腰にぶら下がっている銃を抜き出して部屋の隅へと投げ捨てた。カツン、と金属が滑る音を背景にドクタールイージは後退し、再びエルから距離を取る。その間、ドクタールイージがエルの胸部へ向ける銃口は一切ブレがなかった。
「ふん、基礎は出来てるみてぇだな」
一連の動作を静かに観察していたエルから感心の声が上がる。
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