どんな味？誰もいない部室はぁ…とオレのため息が天井に消える。
心中で呟くそろそろ起きて欲しい…
今オレの膝の上ではスヤスヤと眠る後輩兼恋人の流川楓だ。流川とは豊玉戦以降話すようになり山王戦後急激に距離が縮み、そしてつい先日恋人同士となった。
だがお互いバスケバカだ恋人同士になっても特別に今までの関係がガラッと変わった訳でないのだ。
はぁ…そろそろ本気で足が痺れてきた。
何故今オレが流川に膝枕をしているのかというと今日の練習試合綾南に勝ってそれかつ誰よりも得点を決めたらして膝枕を欲しいと言われたのだ。
そして流川はそれを難なくやってのけた。
練習試合を終え戻った湘北の部室…
流川の規則正しい寝息がやけに響く。

コイツは一回寝ればなかなか起きない。
参ったなぁ…と滅多に甘えたりしてこないから今日くらいはとしてやったのはいいがどうしたもんかと考える。
依然気持ち良さそうに眠る流川の顔をマジマジと見つめる。
睫毛長ぇ…寝ててもイケメンかよ…
オレは目にかかる前髪に触れる。
自分のクセっ毛とは違い柔らかくてサラサラしている。
キュッと結ばれた綺麗な唇…
付き合い始めてキスはした…ホントに触れるだけの可愛いキスだ…
それもほとんど流川からだ。

オレはジッと流川の唇を見つめ
「起きないなら…キスするぞ…」
ゆっくりと流川の唇に顔を近づけていく。
やべぇ…心臓がバクバクする。
流川の唇の距離が数センチになったが
やっぱりやめた！と顔離そうした瞬間…
「センパイ…」
流川の目がパッチリと開く
｢ゲッ…お前起きてなのかよ…」
｢…はい、だってセンパイがあまりに可愛いことしようとするから…」
「………」
｢ねぇ…センパイしてくれないですか…」
「！？」
｢欲しいです…センパイからのキス…」
「………」
｢今日オレめちゃくちゃがんば「わかったよ！するよ！だから…」

｢もう一回、目閉じてろ…」
「ウッス」

はぁ…あんなことしなきゃ良かったと今さら後悔する。
オレは目を閉じた流川を見つめる…
心臓が速い…
｢センパイ…「わかってるわ！」
ゆっくりと顔近づけていく
ホントに触れるだけのキス…時間にしてコンマ零点何秒の世界だ。
「これで満足かよ…」
オレは急いで顔離そうとした時だ気づけば流川に抱きしめられていた

｢センパイ…可愛い…」
抱きしめられている今の自分の顔はきっと茹でダコのようだろう…
「センパイ…顔見たい…」
「…ヤダ」
「センパイ…顔上げて…」
やだやだと流川の胸に顔埋め首を振るが流川によって顔上げられてしまう。

｢センパイ…顔真っ赤…」
「だから…見るなって…」
｢イヤです…」
「っクソ…」
｢センパイ…もう一度して下さい…断ったら…」
「っん！？」

「オレがシちゃいますよ…」
｢いや…もシてるだろ…」
「イヤ…もっとオトナのヤツをデスよ…」
｢る…流川…っん」

初めての流川とのオトナのキスは…
脳内が溶けるじゃないかってほど濃厚で…
なんかやけに上手いコイツにムカついた…


「センパイ…大丈夫っすか…」
｢はぁ…はぁ…お前長過ぎ…てか…オトナのキスってレモンの味じゃないのかよ」
「センパイ…夢見すぎですよ…」
｢悪いかよ…」
「で…どうでしたオレとのキスの味は…」
｢どうって…」
途中から頭ボーとしてわかっらなかっただから

｢お前の唾液の味しかしなかった！」
って言ってやったら
｢センパイ…その言い方エロいッス」
って何故か流川をさらに興奮させてしまうの
だった。