お兄ちゃんと一緒に「ねぇ~いつまでパパとお風呂入ってた?」
「え~実は最近まで!」
「マジ?!」
「だって私のパパイケメンなんだもん!」
「わかる~○○ちゃんのパパなら許せるかも!」
「○○ちゃんは?」
「家はマジ勘弁って感じ…」
そんなクラスメイトの会話が耳に入ってくる。
幼い時にはもう父親はおらず。
兄妹三人で入ったのも本当にモノゴコロつく頃までだったような…兄2人は2人で入っていた記憶もあるが私は大抵お母さんとは入っていた。
別に自分自身兄妹で風呂に一緒に入る事になにも抵抗はないが、リョーちゃんが凄い嫌がるのだ。
「アンナは女の子だろ!母さん入れ!」
と何回も風呂場を追い出された。
そんなクラスメイトの話しを聞いたらなんだか無性にリョーちゃんとお風呂に入りたくなった。
インターハイが終わりリョーちゃんとお母さんとの間に会話が増えた。お母さんも以前より明るくなって私は嬉しい。
今日はリョーちゃんの帰りがいつもより早かったから久しぶりに三人で夕飯を囲んだ。
「リョーちゃん先に入っていいよ~」
私は昼間考えた作成を決行すべくリョーちゃんに先にお風呂に入るように声をかける。
「う」とけだるそうに風呂場に向かうリョーちゃん。ここまでは作戦通り。
「アンナ…」
「何?お母さん?」
ヤバ…なんかお母さん勘ずいてる?と少し焦ったが。
「いや…なんも…」
と言ってお母さんは茶碗洗いに戻った。
ふぅ…良かったと息を一つ吐き私はお風呂場からシャワーの音がし始めたことを確認し不自然のないように台所を後にした。
リョーちゃんって意外にシャワー長いからなぁ…しずかちゃんかと突っ込みを入れたくなる。
シャワーの音が止んだのを確認してゆっくり脱衣場に侵入する。リョーちゃんは私に気づいていないのか気持ちよさそうに歌を歌っている。
シメシメこれはいいな!よし!
私はガラガラと勢いよく脱衣場のドアを開けた
「リョーちゃん!一緒にお風呂入ろ!」
「バカお前!」
兄妹なんだらそんな恥ずかしがることないし!
ちなみ私はしっかりタオル巻いてるから見られてもかまわないよ!別に見られたところでリョーちゃんだし!
「なんでお前入ってくるだよ!」
あわてて私に背を向けるリョーちゃん…
コレではどっちが女子かわからない
「だってクラスの子が最近までお父さんとお風呂入ったって言ってたから私もリョーちゃんと入りたくなちゃった!」
「入りたくなっちゃたじゃね~よ!いいから出てけ!」
「私は気にしないよ!」
「オレが気にするだよ!」
「え~一緒に入りたい!」
「だめったらだめ!」
ザバっとリョーちゃんはお風呂から上がると私を脱衣場に追いやる。
しかも顔を真っ赤にして目線は反らしている。
もう!リョーちゃんたらシャイなんだから!
「ちょっと追い出さなくても!」
「絶対に入ってくるな!」
バンと勢いよく脱衣場のドアが閉められる。
ちぇ~
そんな恥ずかがることないのに~
私はとぼとぼと脱衣場を後にすると
「アンナ…リョーちゃんのことからかわないの…」
「…はい」
作戦失敗だ。
それから何度か機会を伺ったが不発に終わった。
そんなある日。
部活の先輩である三井さんが家に泊まりに来た。
別に三井さんが家にくることは珍しくないが
泊まるのは珍しいなぁ~なんて思ったが色々話しが出来ると思うと私はワクワクしていた。
お客様である三井さんがお風呂に入っている時それは起こった。
タオルなど持って行ったリョーちゃんがなかなか戻って来ない。
どうしたんだろう?とちょっとお風呂場を覗きに行った時だ。
「三井さん…だめだって…」
「でも…やっぱり我慢できねぇ…」
「三井さん…母さん、それにアンナがいるし…」
脱衣場から覗き込んだ光景。
シャワーに打たれながら二人はその…少女漫画でみるその…大人な…
エロい…キスをしていた…
リョーちゃんは衣類を着てるけどシャワーでもうビショビショ…なんか濡れて身体に吸い付くTシャツがエロい…
三井さんによって壁に押し付けられキスを受け入れるリョーちゃん…
あの日兄妹で風呂に入る入らないと押し問答していた風呂で…
私が動かないでいると三井さんとウッカリ目が合ってしまった。
しかもウィンクされた。
これはおいとました方が良さそうだ。
私はそそくさとお風呂を後にした。
はぁ…凄いの見ちゃた…でも…
なんだろう…リョーちゃんのあんな姿見たのに私は全然ショックを受けてない。寧ろ…
なんか興奮やば!
尚更リョーちゃんとお風呂入りたくなっちゃた!
絶対にまた、突撃してやる!
なんなら三井さんの力借りようかなぁ~
待ってろリョーちゃん!
風呂場の前でガッツポーズしていると
通り過ぎたお母さんに…
「アンナ…」
冷た目で見られたのだった。