内緒の距離 今日は珍しく悟史くんソロのお仕事。元気溌剌が売りの圭ちゃんと対照的に悟史くんは優しい王子様。そんな悟史くんへCM依頼が来たのだ。これは女の子たち胸を撃ち抜かれるだろうな、と撮影現場を見ながら思わず頬を緩める。
「マネージャー。」
撮影が終わった悟史くんが私の元へやって来る。笑顔だけど、疲労がなんとなく伝わってくる。
「お疲れ様です。今日はこれでおしまいですね。」
「うん、楽屋に戻ろう。」
私たちはそう確認しあって現場に挨拶をして退出していく。
楽屋に戻り、悟史くんは椅子に座り大きなため息をつく。
「悟史くん、こういうお仕事苦手でしたっけ?」
そういう売りをしてるからもう慣れたものだと思っていたけれど。親がマネージャー業をやっていたが故に私もいつの間にかその事務所に居坐り、ついにマネージャーになっていた。ちゃんと給料も貰ってる。そんな私が初めて見るユニットが圭ちゃんと悟史くんのユニットだった。最初を知っているからこそ、悟史くんの疲れ具合が意外だった。
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