とある任務での一幕だった、世界を救うことよりはなんて事ないもので、ウルヴァリンとデッドプールがセット扱いされている特殊なこの世界。駆り出された不死身二人にとって、その任務は楽勝と言っても過言ではなかった。
敵の本拠地に潜入する際の手際も完璧、お邪魔しますと律儀な挨拶を高らかに響かせながら入ったものだから、入った瞬間からライスシャワーのごとく空薬莢が降る。カランカラン、床に落っこっては小躍りするそれらに、軽口を阻まれてしまったが。サクッと始末、もちろん致命傷を避けて、どんどん先へ進んでいく。
手強くはない相手、しかし小狡い頭をフル回転させて途中から一矢報いることだけに心血を注ぎ出した。こうなると、どんな相手だろうが面倒になってしまう、倒すのが、ではなくて後始末の話。
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