三千年越しのエウレカ─────────────────
「苦いね」
「第一声がそれかよ」
同じ11歳で出会い、共に時を重ね夢を追い、様々な出来事の末に今ではいくつか歳下になってしまった幼馴染──スタンリーと、僕はつい今さっき、恋人になった。
本当に他意はなく、ふとそう思ったので『ああ、この先もずっとスタンと一緒にいられたらな』と零したら『恋人にでもなる?』と言ってくれて、それが実に合理的だと思ったので提案を受け入れた。差し出された言葉があまりにもスッと胸に入ってきて、そうならない理由は無いとすら思えたのだ。
恋人とはつまり、順調に関係を続けていけばいずれは人生の伴侶となり、永久に共に歩み続ける者のことだ。なるほどそれならスタンとずっと一緒にいられるわけだ。
2610