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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    双子のSFです。
    100本チャレンジその54(2014/4/22)

    ##100本チャレンジ
    ##カプなし
    ##W
    ##蒼井悠介
    ##蒼井享介

    双子に関するショートショート 朝起きたら三つ子になっていた。一人増えただけって言っちゃえばそれまでなんだけど、18年間双子をやってきた身としては非常に困る。
     増えた一人は落ち着いているけれど非常に居心地が悪そうだ。とりあえずは俺たちの家にいてもらっているけれど、食器も机もベッドも二つしかない。ならばせめて名前くらいはと『介』で終わる名前をいくつか考えてみたけれど、彼は『まぁ、一過性のものだから』と言い受け取ろうとしない。
     彼について聞けば、双子の片割れを失ってからというもの……というよりは彼は失われた側、つまりは死者らしく、ふいに姿形が変わり双子のもとに現れてしまうようだ。
    「悪霊みたいなものなんだ。紛れ込んで双子の片っ方に成り代わっちゃう、みたいな」
    「ひぇ」
    「だから呼び間違えたらダメだよ」
     悪霊と聞いて俺たちは身構えてしまう。でも間違えない限り害はないと言われればそれまでだし、顔はめちゃくちゃ悠介に似てるから怖くないかも。それにお互いがわからない双子なんていないだろうし、この人はずっと彷徨うはめになるんだろうな。
     かわいそうだね、と悠介が言った。
     そうでもないよ、と亡霊は言った。


     そういえば、なぜ彼は成り代わりについて知っているんだろう。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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