本当に関係ない 三日後のクリスマス、俺はアイツに告白する。
好きだと気がついたのはいつからだろう。いきなり現れて俺をチビと呼び追い回し、アイドルになってからも当たり前にそばにいて、それが日常になって。
多分明確な境界などはなく、陽が自然と高く昇るようにいつの間にか好きになっていったんだと思う。気がついてしまったらどうしようもなかった。隠し通すことも考えたが、自分自身の気持ちに区切りをつけないとうまく呼吸ができないんだ。
クリスマスに告白するのは良くないだろうか。もしかしたらせっかくのクリスマスに嫌な気持ちにさせるかもしれない……いや、断られてもアイツの記憶に残れるという薄暗い打算があったのかも。単純にきっかけが欲しかっただけかもしれないし、俺が意外とロマンチストだって可能性もある。
とにかく三日後のクリスマスに俺はアイツに告白すると決めていた。
三日後まで会う予定はなかった。そういえば今日はアイツ生放送があったっけ。思い出してテレビをつけて、俺は愕然とした。
アイツ、罰ゲームで女装してるじゃないか。
え、ちょっと待ってくれ。このタイミングで俺が告白したら俺がコイツの女装を見て惚れたみたいに見えないか? 女装と言っても、惚れた贔屓目を加味してもお粗末な女装だぞ? 正直アイツならもっと可愛くなれるとすら思う。こんな雑な女装に惚れただなんて絶対に思われたくない!
告白はバレンタインにすることにした。東雲さんに習っておいしいチョコレートケーキを焼こうと思う。