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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    デキてるカイレ(タケ漣)のいちゃつきです。レッカが小悪魔で終始優位。タイトルの半分はまえだちゃんが考えました(2024/8/18)

    ##カイレ
    ##タケ漣

    おめかしハニー 紐付けというのはなかなかどうして馬鹿にできない。条件反射とも言えるそれはうまく仕組めればこれほど面白いものはないと、レッカという男は思っている。
     ただでさえ人を食ったような男なのだから、他人が自分の思い通りに動いたり困惑したりすることに罪悪感などはなく、愉快だという気持ちしかないのだろう。
     パブロフの犬、だなんて言葉があるくらいだから、目の前の人間が犬のように自分の行動に従う様はさぞかし彼を満足させるに違いない。そして彼が興味を持っている人間は数少ないのだから、その少数が餌食になることは想像に難くなかった。
     わかりやすく、御し易い。そして何よりレッカのお気に入りであるという条件を全て満たすのは彼のバディであるカイだった。何も全てのおいて可愛らしい彼を振り回し、管理まがいのことをしたいわけじゃない。毒は一滴だけ垂らすから望み通りに回るのだと、聡明なレッカはわかっている。

     カイという男はレッカのお気に入りで、カイのお気に入りもまたレッカだった。それは双方が理解していて、そんな状況になったら中途半端なことが大嫌いなカイという男は関係に名前をつけたがる。だから二人は『恋人』だったし、恋仲らしい行為にも及んでいた。
     レッカは呼び名に拘らないからこの関係が『恋人』でも『セックスフレンド』でもよかったのだが、カイが自分の想像以上に組織内でモテることを知ってからというもの、これでもかというほどに『恋人』として立場を表明していた。カイが思う通り、この男にも可愛げというものはある。

     カイはレッカが好きだと自覚しているが、無意識で好いている部分もいくつかある。その1つがレッカの髪で、彼は目の前の銀色が揺れていると視線で追わずにはいられない。
     褥でレッカがくったりとしているとカイは決まって髪を梳いていた。理由を聞けばきっと「撫でてたか?」と聞き返し、「無意識だった」と言い、少しの間は意図的に触れるのを止めるがまた無意識に撫でるのだろうとレッカはわかっている。わかっているから何も言わず、自分の髪がガサガサとした指に絡められるままにしている。

     レッカが愉快なことを見つけたのは当分デスクワークしかやることがないだろうと、カイの書類の山を少しだけ引き受けた時だった。その日はたまたまシャンプーを切らしており、大浴場のシャンプーを使った日だ。
     レッカは自分専用のシャンプーを持っている。これはカイが自分のさらさらとした髪を撫でるのが好きだと気がついてからずっとだ。恋人のために髪のケアをしているのはなんともいじらしく可愛らしいが、カイはそんな努力をひとつも知らない。レッカの髪は自動的にさらさらになると思っているのだ。
     で、その自動的にさらさらになるはずの髪が備え付けの粗悪なシャンプーで少しだけ渇いたその日、カイはその変化を感じ取った。それは職務中には触れることの叶わない髪の質感ではなく、ふとレッカが近づいた時の香りだった。
     カイはいつもはちみつの香りがする髪からケミカルな匂いがするのに気がついた。はちみつ色の瞳をした男の髪はいつだってはちみつの匂いがすると思っていたから、これにはたいそう驚いた。そして言った。「なんか今日のオマエ、変な匂いするな」と。
     レッカは少しだけカチンときたが『オマエがいつも纏ってる匂いだよ』とは言わなかった。むしろこのデリカシーのない男が香りの変化に気がつくなんて、と感心したくらいだ。そして、レッカは前述の通り、とても愉快なことを考えついて今に至る。



     カイはドキドキとしていた。俗なことを言えばムラムラもしていた。彼は今日、恋人が自分に抱かれたがっているとわかっていたからだ。
     そして、これこそがレッカの考えついた悪事で、冒頭で述べた紐付けに他ならない。
     レッカはカイをセックスに誘う時、必ずシャンプーを独特な香りのするものに変えることにしたのだ。甘いはちみつ味から、蠱惑的に囁くムスクの香りに。そうして普段と違う自分になって恋人をお誘いする。それを一ヶ月ほど繰り返した。
     カイは鈍感な男ではあるが、それは感情の機微に疎いというだけで鼻がバカなわけではない。むしろ嗅覚自体は敏感な方だ。だからレッカが誘いをかけてくるときに、その香りが名前のわからない色っぽい香りに変わっていることには気がついていた。
     そうなるとレッカがその香りを纏っていたら、もう平常ではいられない。
     いつも抱かれる時にふわりと横切る香りをレッカが纏っていると、カイはレッカが自分に抱かれる気なのだということがわかる。
     レッカが抱かれることを想起してシャンプーを選んでいるという事実は、カイにとってはかなり刺激が強い。かと言って約束をされているわけでもないから、無駄にドキドキするくらいしかできることがない。
     カイがもう俺から誘っちまうか、と思った瞬間にレッカが甘く誘ってくることが常だから、カイはもう自分の情けないほどのわかりやすさを受け入れている。実際にはレッカの察しの良さが尋常ではないというのも要因ではあるが、かといってカイのわかりやすさは否定できない。
     今日だってカイはこれみよがしに妖艶な香りを纏ってくるバディ兼恋人に腹が立つような、してやられたような、なんとも嘆かわしい気持ちになってしまう。
     しかし、それ以上に期待してしまうのもまた事実だった。明日は二人揃ってのオフだという事実がこの香りの正体を裏付けているようで、彼はどうしようもなく心乱される。
     とはいえ断るという選択肢はなかった。今日こそ俺からズバリと言ってしまおう。そうカイが決意した瞬間、レッカが彼を呼ぶ甘ったるい声が聞こえた。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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