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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    友達の誕生日祝いに書いた春隼(昔に書いた)

    ##春隼

    プロデューサー!おめでとう! なんで未だにバイトを続けてるかって言うと、純粋に楽しいから。
     そりゃ、部活とかアイドル活動とか恋人とのデートとか、優先順位が高いものはたくさん増えてきた。それでも、今までお世話になって一緒に笑い合ったりしていた人との時間をゼロにできるかと言ったら答えはノーだ。高校を卒業して、環境が変わったら変わってくる関係もあるとは思うけれど、プロデューサーがこうやって自由になる時間を作ってくれているんだ。まだ、そこまで大きく変わることはないんじゃないかなって、そう思う。
     それに、バイトが最優先事項を連れてくることもある。オレはそろそろ上がり。隼人は仕事が終わってしばらく経った頃。
     挨拶をして、おつかれさまでした。ついさっきまで誘導灯を振っていた場所から数分程度の公園に向かう。行き道であったかいコーンスープを買ったりして、ひんやりとしたベンチに座る。
     時間はさほどかからない。俺が缶の底にこびりついたコーン粒を深追いしていたら、頭の上から声が降ってくる。そして、つむじに感触。
    「へへ、ハルナのつむじ」
     そう言って笑う小柄な人物。秋山隼人。十七歳。蠍座。身長は低め。忘れちゃいけないことは、この人がオレの恋人ってこと。
     おつかれ、ってお互いに言い合って、オレたちは並んで歩く。長くもなく短くもない距離を歩く。お互いの帰り道、その重なってるところを不自然じゃない程度にゆっくりと歩いていく。そういうことだ。なんてワガママなシフト希望だろう! 若里春名が毎週火曜日、ハヤトのレギュラー番組収録に合わせてバイトをしているだなんて、知っているのオレたち二人だけだ。てか、他の人にバレてたら困る。
    「ハルナ、プロデューサーの誕プレ何にした?」
     逸れていた意識が引き戻される。今日は大事な日。オレたちのプロデューサーが生まれた日だ。
     連名でのプレゼントは渡してある。輝さんの提案で、ユニットごとにメッセージ色紙を送った。輝さんがしっかり取りまとめて、今日のどっかで渡しているはずだ。
     それとは別に、あげたい人は個別にあげればいいってことになっている。みんなあげるんだろうなってみんながわかってる。オレもあげた。ハヤトもあげたんだろう。
    「ハヤトは何にした?」
     言ってから、「あ」って思った。質問に質問で返すやつ。オレがやりがちなやつ。これ、怒られるんだよな。
     案の定ハヤトは少しムッとした。「俺のはすごいよ! 俺の、ってか『俺たち』だけど」それでも許してくれたみたいで、スマホの画面を見せてくる。
    「……ゲーム? なんかすごいな。ドットで……『いつもありがとう』?」
    「マイクラ! えっと、ゲームでさ。レゴブロックみたいな世界で色々作れるんだよ」
     あー、なんか聞いたことある。ハヤトが前に言ってた。改めて画面を見ると、なんだか事務所っぽいビルもあった。
    「プロデューサーもやってるって言ってたからさ、プロデューサーをお祝いする世界を作ったんだ! メッセージと……これが事務所。あとは動物とかいっぱい放したんだ」
     それは素敵だ。そのまま伝えたら志狼の提案だって笑っていた。それでも相当大変だったらしい。五人がかりで毎日コツコツ、プロデューサーのための世界を作ったって胸を張る。すごいだろ、って得意げな顔、その鼻が寒さで少し赤くなっている。
    「オレのはこんな感じ! ハルナは? やっぱりドーナツ?」
     言われると思った。オレのイメージ。オレイコールドーナツ。オレはドーナツだけじゃないぞ、ってつついた頬は柔らかい。
     じゃあ、何あげた? って。
    「えっと、ドーナツと」
    「ほら、ドーナツじゃん」
    「人の話は最後まで聞いて。ほら、プロデューサーって甘いのそんなに食べられないだろ? だから、コーヒーつけた」
     プロデューサー、コーヒー好きじゃん。そう付け加えるが、ハヤトは驚きを隠そうともしない。
    「春名が…………コーヒー……?」
     よく頑張ったな、って伸ばした腕で頭を撫でられる。正直結構頑張ったから、素直に受け取ることにする。
    「輝さんにいろいろ聞いて、甘さひかえめのドーナツにあうコーヒーにしたんだ。……自分が飲めないもんを贈るのもどうかと思ったんだけど……ほら、多分プロデューサー今めちゃくちゃ忙しいだろ?」
     プロデューサーは忙しいはずだ。なぜならオレたちも忙しいから。世間はバレンタインで浮かれているけど、オレたちは今、ホワイトデーの準備に大忙し。
     だから、おいしさに眠気覚ましを兼ねてコーヒー。
     正直、自分が飲めないものだったから、本当によかったのかなって気持ちは少しある。でも、そういうのを全部肯定で包み込んでハヤトは無邪気に投げかけてくれる。
    「いいじゃん! なんか、いつもと違ってさ。特別な感じする」
    「そう言われると安心する。ありがと。……プロデューサーは、特別だから」
    「うん。プロデューサーは特別」
     そう言って笑い合う。プロデューサーって不思議な存在だ。「親」でもないし、「兄姉」でもないし、「友達」じゃないし、「仲間」は惜しい感じ。プロデューサーはプロデューサーだ。
     一人で納得していると、ハヤトが肩に触れてくる。こういうと甘酸っぱい接触を浮かべる人もいると思うが、普通に肩パンされただけだ。
    「俺の誕生日はドーナツだったなー?」
     翌日の朝ごはんとお弁当もドーナツになるくらいの、大量の気持ち。
    「……あの時は付き合ってなかったから……量に気持ちを込めたつもりなんだけど」
     一応、あの時から好きだったから。言って気がついた。オレがいつから好きってのは告白した時に言ったけど、ハヤトはいつオレを好きになったんだろう。
     聞いてみたくなってハヤトを見たら、なんだか楽しそうに笑っていた。そんな顔をされるとこっちまで楽しくなってくる。今から二人で裏山にいって、秘密基地を作り始めるようなそんな笑顔。
    「今年、期待してるから。特別なの」
     少しだけ甘えたように聞こえたのはオレのハヤト愛がそうさせたのか。子供が言わないようなセリフに、秘密基地が遠のいてしまう。いま裏山に行ったとしたら、オレたちは狭い秘密基地でキスをしてしまうだろう。
     だって、恋人にあげる「特別」なんて、そんなの決まってる。
    「……期待してて。あ、でもオレの誕生日が先だ」
     特別、くれる? なんだかねだるような声がでてしまった。二人が共有する空間は友人同士の空気が薄まって、恋人同士のムードが顔を出す。
    「任せて。ハルナが大好きなやつをあげる」
    「……それ、どっち」
     ドーナツは好きだ。大好きで特別だ。でも、恋人にあげる「特別」って言われてしまったら、どうしても期待してしまうわけで。だって、オレはハヤトが好きで、大好きで、特別だから。
     沈黙。いや、これは本当に期待してしまう。だってオレは健全な十八歳だ。なあ、って覗き込んだハヤトの顔。その距離がいきなり近づいた。
    「……まだ二月ですけど」
     一瞬で詰められた二人の距離。軽く触れ合った唇。ハヤトの温度がそこからじわじわ広がって、オレの頬が熱くなるのがわかる。
     そこに、追い打ち。
    「……誕生日はもっとすごいのあげるから」
     やられた! 頭がフリーズ、するわけがない。思春期の脳はフル回転だ。それ、どんくらいすごいんですか? 今すぐインタビューしたい。期待しててってハヤトは言った。する。します。期待してます。
     くそー、人のことをモテとかなんだかからかっておいて、自分はこれってズルいだろ。別にいつも優位にいるつもりはないけど、ここまで振り回されてしまうとは。無邪気に振り回されたことはあったが、こんな、意図的にだなんて。ちらりと盗み見た顔はちょっとだけすましていて、あれ、でも。
    「……ハヤト、耳真っ赤」
    「ええ!? 嘘!?」
     ハヤトの声を吸い込む夕暮れ。うっすらと見える月。今夜は満月。プロデューサーはこういう空気の凛とした、月のきれいな日に生まれたんだな。
    「くっそー……かっこよく決まったと思ったのにな……」
    「いや、かっこよかった。ドキッとした」
     素直に白状すれば、いまいちキマらないハヤトの表情。「三月、」しっかりと視線をオレに合わせてハヤトは言う。
    「誕生日、覚悟してろよ!」
    「こっちのセリフだ!」
     覚悟してろよ! そう言って笑いあった。あと、協定を結んだ。北斗さんへの弟子入りは、禁止。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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