甘えたな君とピザトースト鳥の囀りが聞こえる。瞼越しに見る世界も柔らかに明るい。
眠っていた意識がゆっくりと覚醒していくのに合わせて、世界の輪郭が彩られていく。
遠くから人の声や物音も聞こえる。朝餉の準備に励むもの、鍛錬に赴くもの、畑へ向かうもの。そんな刀剣男士たちが奏でる生活音だ。今日も忙しない一日が始まろうとしていると、まだ寝ぼけ気味の頭で思う。
まだアラームは鳴っていないから起床時間ではないはず。このままもう少し微睡んでしまおうかと布団を引っ張り身体を埋め直した。身体を優しく包み込む暖かさが心地良くて、その温もりの中に身を寄せる。
(…うん?)
心地良い温もりに身を寄せて、ふと違和感に気づく。布団のそれとは違う温もり。明らかに体温を持ったものがそこにいる。その暖かさを私はとても良く知っている。
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