遊戯「元気だった?」
「ええ。忙しかったですけど。どうぞ、昼食はできてます」
ジュウォンは宿直明けで、明日は非番。昼からドンシクが来た。
ドンシクは、珍しくテレビゲームをやっているジュウォンの隣に座った。
「あれ、あなたの分は?」
ジュウォンは最近、ベトナム料理に凝っているらしい。小洒落た器に盛られたフォーが湯気を立てている。
「僕は、ブランチを食べたのでまだ空腹ではありません。熱いので気を付けて」
ブランチ。ジョンジェといたせいで割とお坊ちゃんの暮らしには慣れているし、ドンシクも両親が元気だった頃は、西洋文化寄りの行事や習慣も経験していた。でも、ナム所長と過ごすことが増え、離れていた文化だ。
「俺のためだけにわざわざ作ってくれたの?」
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