恋敵はアインシュタイン「ええ。ですからここで S, S’系の座標をx, x’として式3.6から変形しますと…ええ、l√(1-β^2)になりますね。これがローレンツ収縮でございます。ここまでは大丈夫なようだ」
「はひ…どうにか…」
「では次にこれらの座標系にそれぞれ時計を置くとどうでしょう?S’ 系の時計の時刻は上式よりt’=t√(1-β^2)<tとなります。つまりS系の観測者の時計がt秒進む間にS’ではそれより短い時間しか進んでいないことになる。これが有名な”走ってくる時計は遅れる”現象ですね」
「お、おお…!!」
「ですが、S’ 系から見ればS系こそ動いているように見えますよね?双子がいたとして片方が光速に近い速度で宇宙旅行をして帰ってきた時、歳をとっているのはどちらになるのでしょうか?」
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