東京に来たグレイブス 〜メイドさんといっしょ♡〜 #秋葉原
(ワッ…あの人デカ…てかすごい服…コスプレ?)
(視線を感じます…ん?猫耳?獣人族のハウスメイドの方でしょうか?)
(ゲ…目合っちゃった…マァ、客引きしくかにゃ〜)
トコトコ…
「お兄さ〜ん♡休憩いかがですかにゃ〜?」
(…!!これは僥倖。ハロウィーン布教の旅でも、まずは土地の地主に挨拶をしておりました。さっそく、その機会が回ってくるとは幸先が良い。そこで聞き込みすればユウさんの手がかりが得られるかもしれない…)
「こんにちは。ご主人のお屋敷にて謁見のお許しいただけるとのことでしょうか?」
「何言ってるんだにゃ?お兄さんがニャーのご主人様になるんだにゃ」
「はて、我輩が?今日一日素敵な貴方を雇用できると?」
「いっ、一日?!お兄さん一日ぶんセット料金払ってくれるのかにゃ?」
「ええ。ちょうどこの土地に詳しい助手を雇いたいと考えておりました」
「一日お散歩コースってことかにゃ?!」
(やった〜!!単価高い上にいっぱい奢ってもらって買い食いできるにゃ〜♡♡♡)
「ええ。我輩、人を探しをしておりまして。そのためにもまずはこの土地の主にご挨拶さしあげたく…」
「よくわかんないけど、東京の長がいる場所に観光に行きたいってことかにゃ?」
「トウキョウ。この素敵な場所は『トウキョウ』というのですね!!」
「そうだにゃ。お兄さんもしかしてお上りさんかにゃ?東京の長ということは…ユリコだにゃ。都庁にいるにゃ」
「『ユリコ』さん...!!ええ、ぜひお目どおり願いたく…」
「オメドオリってなんだにゃ?まあ、都庁は新宿だからぁ…う〜んと、こっちにゃ…」
#新宿
「『ユリコ』さん…お目にかかれませんでした…」
「当り前にゃ!!お兄さん職員出入り口に突入していくからビックリしたにゃ。警備の人も手にキッスされて固まってたにゃ。お兄さん、もしかして変質者なのかにゃ!?」
「せっかくユウさんの手がかりを掴めるかと思いましたのに…」
「都知事に人探し手伝ってもらおうとしてたんだにゃ?正気じゃないにゃ…」
「ええ…ここは我輩が知っているような牧歌的な土地ではなく、どなたもお忙しくされているのですね…我輩、紳士としてあろうことか少々礼節に欠いておりました……」
「そっ、そんなに急に落ち込まなくても…
「わ!!あれは何だ!?何だ!?」
......急に元気になるなにゃ。あれは桜だにゃ」
「さ、桜とおっしゃいましたか!?アレが、ユウさんのおっしゃっていた…!!」
「お兄さん、ほんとに反省してるのかにゃ…?」
***
「それで…スカたんはユウチャンの居場所の目処もないのかにゃ?」
「ええ、残念ながら…」
「遠距離恋愛でずっとメールだけでやり取りって…ほんとにそんな女の子、実在するのかにゃ?スカたん騙されてるんじゃないかにゃ?」
「いえ!!我輩はこの腕の中に眠る彼女を抱き起こし、運命的な出会いを…というのはまあ確かに、厳密には夢の中の出来事といえばそうではあるのですが、実際にあった夢の中の出来事でして!」
「警察と病院、どっち行きたいか選ぶにゃ」