孤児拾い鬼「はぁ…はぁ…」
「泥棒だ!!誰かそいつ捕まえてくれ!!」
果物を2つもって人々の間を縫うように駆け抜ける青年は、果物の持ち主の商人に追われていた。
もう2日は何も食べていない。走って逃げるのにも体力が底を尽きかけていたせいか路地に入った途端転んでしまい商人の男に捕まってしまった。
「このくそ泥が!よくもこの間も盗んでくれたな!」
そう怒鳴って数発殴る。
「…はは…」
「何がおかしい!」
「だって…盗まれる方が悪いだろ?」
男はわなわなと震え出し思いっきり殴っては床に転がし腹を蹴った。
「このくそガキ!舐めた口聞いてんじゃねぇぞ!」
一通り殴ったり蹴ったりしていた商人は青年の動きが鈍っているのを見てやめて果物を手に取り路地を出ていった。
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