「俺の仕事です」ジェノスが押し掛けて来てから数日がたった、アイツは自分がしますからと家事をしてくれる様になった。
俺が他をしようとすると先生はゆっくりしていてください!と言われるので面倒だしやらせておく事にし漫画を読んでいるとあいつは世話しなく動くのでため息を吐き出す、するとジェノスがどうかしましたか?と迫ってきた。
「家事は一緒にすればいいんじゃねーの?」
「しかし・・・それでは先生の手を煩わせてしまいます・・・先生は常に怪人と戦い、そのお力で退治してしまいますが、家にいるときは存分に休んで頂きたいのです、・・・それに俺は・・・」
「お前なぁ・・・それを言うならジェノスだって戦って帰ってくるんだからあいこだろ、よし、やっぱ家事は分担だ」
「しかしっ!」
「ほら洗濯干せよ、俺掃除」
ジェノスは物凄く不服そうな顔をしてベランダへ行く、面倒な奴だと思いつつ辺りに散らかしていた本を戻してテーブルを端に寄せて軽く雑巾がけをしているとジェノスがチラチラと見ているので本当に面倒な奴だなと思いつつ雑巾がけを終えると戻しに行ったら干し終えたジェノスが戻ってきた。
「先生、干し終えました」
「俺も終わった」
まだ不服そうなので頭をわしゃわしゃ撫でて、にっと笑うと目を点にして固まってしまったジェノスにサイタマは声をかけた。
「何時も、ありがとうな」
「先・・・・・生・・・」
固まったまま動かなくなったジェノスに、おーい?どうしたー?と目の前で手を振ってみたり、頬をつねってみたりするサイタマは彼の無表情にえ?怒ったの??と数歩後退るがジェノスがぎこちない動きで廊下に行くので見送りつつ呟いた。
「やっぱ、怒ってたんじゃ・・・」
「いえ、怒ってませんから」
戻ってきたジェノスが困ったように笑むのでほっと息をついたサイタマはテーブルを戻すとじゃあ特売チェックするかとチラシを広げるのだった。