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    碧(あお)

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    碧(あお)

    DONE【「スモバ2」参加作品2】
    「スモバ2」参加作品1『恋心まであと五年』から遡ること1か月前。熱を出したバーボンと、見守るライ&スコッチ。
    何も知らない君へ(『恋心まであと五年』前日譚)「今戻った。スコッチ、バーボンの様子はどうだ?」
    「また熱が上がったみたい」
     眉をひそめながら告げたが、ライは無表情だった。否、俺にはわかる。感情が動かないように見えて、彼はちゃんとゼロを心配している。
    「で、店はあった?」
    「駄目だ、この天候で全部閉まってやがる」
    「そうか……期待はできなかったけどやっぱりか」
     飲料水は、ゼロに与える程度なら持ち歩いている分で何とでもなる。問題は解熱剤だった。三人とも殺しても死なないと言われるほど頑丈な質で、体調を崩すことなどないだろうと高をくくっていたのが裏目に出た。唇を噛みしめた俺の横で、ゼロの苦しそうな寝息が聞こえる。俺とライは顔を見合わせて途方に暮れた。



     三人で組織の任務に訪れた極寒の地。猛吹雪の中を強行軍で進んだ結果、他の任務直後で三徹目だったゼロが倒れた。たまたま見つけた今にも壊れそうなホテルに駆け込んでとりあえず休ませたものの、夜が更けるにつれてどんどん熱が上がっていく。
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