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    sh_xxx_la

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    夢妄想/めちゃ下品
    もうカップリングがわからないあえて言うならオレ×ヴィム

    椅子になりたかったオレ志半ばでテロの凶弾に倒れたアス高生徒オレ。死の間際に思い出したのはライブラリーで読んだ大昔のフェチ小説であった。あの小説の人物のように生まれ変わるのなら椅子になりたい。そうだ。できればあの兄弟が座るだろうceo室に似合う立派な椅子。あれになりたい。何時間と座っていても疲れを感じさせることのない、魔法のような座り心地を提供するのだ。そしてオレはクッション越しにその重みを感じ、味わったことのない絶頂を感じるのだろう。言わずもがな、オレはあの兄弟にそういう意味で傾倒していた。
    覚醒する。
    どうやらオレは念願叶って椅子になったようだが、残念なことに新しい体はごくごく大衆的なファミリー向けのソファであった。コーヒーでもこぼしたのだろうか、ところどころに茶色いシミまでついている。
    あの兄弟以外の人間を優しく包み込む趣味などない。オレは絶望した。ソファが廃棄されるまでの数年、見知らぬ人間たち(しかもコーヒーをこぼすような人間だ。その生活態度はたかが知れている)の尻圧で凹まされ続けるのだ。こんなことなら意識なんてない方がよかった。無機物として心なく存在していたかった。
    ドスドスと遠慮ない足音がこちらに向かって響き渡る。オレの持ち主だ。直感でわかった。こんな乱暴な歩き方、いかにもコーヒーをこぼしそうな人間の歩き方だ。まるで全然あの兄弟と正反対だ。いや、兄の方は少しその気はあったかもしれないがその中にも品のようなものは見られた。少なくともオレはそう感じた。
    「まったく街の奴らはいつになったら俺の商品の良さに気付くんだ!?」
    ドス!と全身の力を込めて尻からソファにダイブした人間のその声は聞き覚えのあるものだった。あの兄弟の父親で、泣く子も黙る大企業ジェターク・ヘビー・マシーナリーのCEO、ヴィム・ジェタークだ。しかし、今はそうではない。都合よくオレは一瞬にして理解していた。
    ――ここは「居酒屋プロスペラ時空」だ!
    商品が売れない理由を街の人々の審美眼のせいにして、延々とくだを巻き酒を煽る。跡取りであるはずの息子ふたりは、店のことなどは頭にないようで揃ってバスケ三昧の日々。そういう悲しき父親。それがこの時空のヴィム・ジェタークなのだった。
    そして、その人となり相当の恰好をしているのも自然の摂理なわけで、まさか花屋の親父があの時のヴィム・ジェタークのようにビシッとスーツを着ているはずがないのだ。本日の仕事を終わらせてひと風呂浴びてきたその人は、ランニングにトランクスというまさに「日本のお父さん」といえる姿でオレの上に鎮座していた。
    オレは急激に危機を感じた。トランクスはマズい。非常にマズい。通気性を売りにしたその下着は、つまり、その、アレがアレしてこんにちはする可能性が高いのだ。オレも一時期ユーザーだったのでわかる。経験談である。ほら、言ってるそばからもう危険な状態になっている。辛うじて出てはいないが完全に向こう側からは見えてはいる。人がいないから気にする必要はない?そりゃそうだ。見えている分にはオレだって一向に構わない。だが、体勢を変えるとなると話は違う。あ、ほら、そんな横着して新聞をとるな。短い手を一生懸命伸ばして横になるとトランクスがずり上がって……!!今にも!!今にも!!キンタマが!!イケメン兄弟を作り上げたムダに優秀な精子を生み出した工場が!!まろび出てしまう!!飛び出せ!青春!わんぱくおキンタマ!になってしまう!!!そして!!!オレの!!!体に!!!しっとりと!!!しっとりとうわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


    ソファになったオレは、発泡酒の缶をひとつほど空にして爆睡するヴィム・ジェタークを己の体の上に乗せながら虚空を見つめていた。
    オレはファミリー向けのソファだ。この家に設置されていれば、いつかはあの兄弟たちが座ってくれるかもしれない。バスケで汗だくになったムレムレの足でオレを踏んづけてくれる可能性もあるわけだ。加齢臭がする!マジで無理!と罵りながらCMが如く消臭スプレーをびしゃびしゃになるまで噴霧する滝行プレイだって無きにしも非ず。なんだ。希望だらけじゃないか、この体は。やはりあの時、強く願って正解だった。
    ヴィム・ジェタークが小さく呻きながら寝返りを打つ。その動きに合わせて再びトランクスからぽろりとキンタマがこぼれた。オレの肌(生地)に直に触れるが、もう気にすることはなかった。
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