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    書こうとは思ったが進まない。 重行(予定)巡り璃月がわちゃわちゃする話です。よろしくお願いします。
    誰か読んでください。

    #重行
    Chongqiu

    被害者の会を作ろう。会長は私ね。「胡桃」
    「なーに、どうしたの行秋坊っちゃま」
    「相談があるんだが、いいかい」
    「え、私に?珍しいね、どんなこと?棺は必要?今なら30パーセントオフだよ!更にそれに加えて、友情割引も……」
    「胡桃」
    「も〜せっかちだなぁ!最後まで言わせてくれたっていいじゃんか!あ、それとも〜?ちょっ〜と厄介なお客さんだったり?うんうん!そっかぁ!じゃぁ私がお話してあげよっか…」
    「重雲のことが好きかもしれない」





    「もう無理!!被害者の会を作る!!」
    だん!!っと思いっきり机を叩いたのは往生堂堂主、胡桃。普段はあちこちを飛び回っていて考えていることが読めない少女が、層岩巨淵に引きこもっていた私を(半ば無理矢理)引っ張っていった。「やっと見つけたわ旅人…」と怨霊でさえも怯んでしまいそうな恐ろしい表情で腕を掴まれた時には、パイモンと一緒になって情けなく大声で叫んでしまった。あの場にキノコンと幻形イノシシ・水しかいなかったのがせめてもの救いだ。誰かがいたら確実に笑われていただろう。閑話休題。今ここには私とパイモン、胡桃以外にも香菱がいて、集まって一言目。それは集まった理由でもなく、急に招集したことへの謝罪でもなかった。被害者の会?と聞いたことのある言葉に、パイモンと目を合わせる。
    「きゃー!胡桃!机叩かないでよー!」
    思わず立ち上がった香菱が言う。それもそのはず、今いるのは万民堂。つまり先程胡桃が叩いた机は万民堂の机である。自分の店にある机を思いっきり叩かれていい気分の者はいないだろう。
    「ねぇ、被害者の会って、どっかで聞いたことあるんだけど…」
    ただしどこでなのかが思い出せない。
    「なに言ってるんだ旅人、重雲が言っていだろ?「行秋の武芸と義侠心にはぼくも感服するけど、ひとつお前に忠告しておかなきゃならない。彼は時々意地悪なところがあるんだ。もし何かあったら、ぼくと一緒に被害者の会を作ろう」…てな!」
    「すごい記憶力だね」
    パイモンが重雲のマネをしながら、前に重雲言っていたのだろう行秋についての印象を得意げに話す。
    「それくらい印象に残ったんだ…なんかあの二人って、やたら距離が近いというか、重雲はほかのやつに「被害者の会を作ろう」なんて言わないだろ?行秋以外にあういう態度を取らないというか…」
    「そう!そうなんだよ!」
    それまで机の上にある自分の両手を眺めていた胡桃が、急にばっと顔を上げ、バンバンと何度も机を叩きながら悲鳴に近い声を上げる。そしてその声に驚いたパイモンが胡桃に負けず劣らずの大声で悲鳴を上げる。
    「急に叫ぶなよ!びっくりするだろ!」
    「あの二人って昔っからああなんだよ!いつも二人でいるし、私と香菱と辛炎、雲菫、それから重雲と坊っちゃまで出かけてもいつの間にか二人っきりで話してるの!内緒話するみたいにさ、顔寄せあってさ、気がついたらタッセルも贈りあってたみたいだし!そうだよ!距離が近いの!この気持ち分かってくれて嬉しいよパイモン!」
    「ふ、ふーたお…落ち着いて…」
    もはや万民堂どころか外にも響き渡ってる胡桃の声は、道行く人々を振り返らせる。太陽が真上からじりじりと照りつける璃月港では行き来する人も多い。なんだなんの話をしているんだと面白がって聞き耳をたてる人もいる始末。ここは万民堂、食事処、そして香菱の店なのだしもっと声を抑えてと訴えると、さすがの胡桃も騒ぎすぎだと分かったのか渋々と椅子に座る。
    「…お前がそんなに早口になったところ初めて見たぞ。オイラはなんとなく言ってたけど、それほど二人の距離が近いってことだもんな」
    うんうん、とパイモンが頷く横で、それまで梅の花で作ったお菓子を食べながら聞いてた香菱が口を開く。
    「でもあの二人って、両想いなんでしょ?付き合ってるからあの距離じゃないの?」
    「ああごめん香菱…旅人を連れて一緒にここに来た理由言ってなかったね…」
    そしてそう言うなり胡桃はまた自分の手を見つめて黙った。
    「え…なんか、言いづらいことなの…?」
    「…坊っちゃまが」
    「うん?聞こえないぞ!もっと大きい声で言ってくれ!」
    「坊っちゃまが、「重雲のことが好きかもしれない」って、私に恋愛相談してきた!!」
    「…うん?」
    「坊っちゃまが、「重雲のことが好きかもしれない」って、私に恋愛相談してきた!!」
    …え、待って、つまり、

    「「「まだあの二人付き合ってないってこと?!」」」





    「…あ、行秋」
    「…おや」
    胡桃たちと会ってからはや三日。常九からの依頼で次回作の原稿を飛雲商会に届けに来た私たちは、総務司前の掲示板のところでちょうど話題の中心となっていた人物と会った。というのもその三日前、とんでもないことが発覚したあの女子会はもはや混沌の場と化して、「ほんとにあの二人付き合ってないのか?!」とか、「あの距離でただの親友…?信じられない…胡桃それ、聞き間違いなんじゃない…?」などといった言葉が飛び交う中で、胡桃の「じゃあ本人たちに聞いてみてよ…」という一言でその空気は集結した。変わりにあの胡桃がこんなになるまでなんて…とこの世の終わりのような雰囲気にはなったが、結果としては「あの二人をよく見てみて、なにか変わったことがあったら報告しよう」ということでその日は解散になった。
    しかしなんの音沙汰のないまま三日経ち、今日。
    面倒だからとデイリー依頼をサボらなくて良かったと、心から安堵している。さまざまな国をかけていく旅人である自分と、飛雲商会のお坊ちゃま。お互いに忙しいので、会える確率なんてとても低い。それなのにたった三日で二人のうちの片方に会えるだなんて、半年分の聖遺物運を全て使い切ったのではないだろうか。
    「久しぶりだね。ここでなにしてたの?」
    目敏い彼に自分たちの思惑を悟られないように、平常心を保ちながら話しかける。
    「ああ、久しぶり。なんてことはない、一瞬の暇を得ていただけだ…これは?」
    「これは、常九から飛雲商会に届けてくれと頼まれた小説の原稿だ。ほら、前に軽策山で会っただろ?お前に本を貸したやつだ」
    「なるほど、常九殿の依頼か。僕が預かろう」
    「ありがとな!行秋!」
    常九から頼まれた原稿を行秋に手渡す。それを行秋は丁寧な動作で受け取った。
    「これくらいなんてことない。届け先は飛雲商会なんだろう?ならば僕が今直接持って行った方がいいからね」
    「ああ、あとそれ、稲妻に送ってほしいんだ」
    「分かった。では早速、この原稿を商会に持っていくよ」
    すぐ近くにある商会に戻ろうとする行秋を見て、すぐにパイモンと視線を合わせる。パイモンもまるで私と同じ意図だというように頷いた。
    「そうだ行秋。このあと時間あるか?」
    「このあと?問題ないよ。もともと万文集舎に行こうとしていたからね」
    「オイラたちも着いて行っていいか?!」
    「おや、君たちも本を読むのかい?」
    「オイラは…あんまり…でも、旅人はよく読んでいるぞ!…まぁ、だいたいが古い書物なんだけどな…」
    「へえ!旅人、君は古い書物に興味があるのかい?それならおすすめがいくつかあるよ。紹介しよう」
    それでは二人とも、少し待っていてくれ。
    そう言って、行秋は商会の中へ入っていった。



    「僕がおすすめするのは『絶雲紀聞』、君が何を知りたいのかにもよるけど、第三巻と第四巻が特に読んでて面白かったかな。無妄と地脈、仙霊と遺跡…。テイワットでは様々な伝説があるけれど、結構この話は有名だから、君ももしかしたら知っているかもしれない。あとこれは稲妻に行った時に八重堂で買ったものなのだけれど、『常世国龍蛇伝』これもいいよ。稲妻では娯楽小説がたくさんあったから、これを見つけたときはびっくりしたよ。まさか伝説を元にした本もあるんだとね。悪く言ってる訳ではないよ。むしろ僕にとったらとても嬉しいことさ。舞台は海祇島で璃月ではないのだけれど、君は旅人だし、いつか旅に役立つかもしれない。そうだ、稲妻で面白い娯楽小説を見つけたんだ。『雷電将軍に転生したら、天下無敵になった』、これは『お願いっ!私の仙狐宮司』という小説と合わせて読むとより面白い。作者は異なるみたいだけど、どちらも人気があるらしい。雷電将軍は雷神だと聞いたけど、稲妻の人々は自身の神をこのように思っているのだろうか。文化の違いはもちろん、こういう本が稲妻の人は好きなのかもしれないね。そういえば一緒に『フィッシュル皇女物語』という本も買ったんだけど、この本の著者、九先生はあの『神霄折戟録』を書いた人みたいなんだ!これほど心が踊ったことはないね、とても嬉しかったよ!」
    圧倒的な情報量と共に次々と渡される本の山に、もはや目の前が見えない。おすすめは第三巻と第四巻、と言っておいて渡してくるのは第一巻から第六巻全てであるのだから、口で言っている数より遥かに多い。ちょっとずつパイモンに持ってもらってはいるけれど、それでも多すぎる。早口でどんどん語っていく行秋はあれもこれもと本を取り出してきて、いよいよ私だけでなくパイモンもうげ、というような表情をしてきた。
    「なぁ〜行秋〜。…もうそろそろ終わりにしないか?オイラも旅人も手が疲れたぞ…」
    「…え、ああ、つい熱がこもってしまった。失礼したね」
    「本当だぞ!こんなにたくさんの本を抱えていたら、美味しいものを食べるのにも一苦労じゃないか!」
    「うん?君は足がなくても平気だろう?」
    「足じゃない!使っているのは手だ!そして美味しいものを食べるときに使うのも手だ!塞がってたらだめだろ!あといくらオイラが飛んでいるからと言って、足がなくなるのはいやだぞ!」
    「あはは、冗談だよ。どうだい、旅人。なにかいい書籍はあったかい?」
    とりあえず今にも崩れそうな本の山は机の上に置かせてもらうことにした。行秋から再度解説を受けながらこれは知ってる、これは知らない、と内容を珍味していると、ひらひらとなにかが床に落ちる。
    「…これは…」
    「…うん?なんだこの字?読みにくいぞ?まるで暗号…いや、古代文字のようにも見える…!」
    「…やめてくれ、君たちがこの字を見るのは初めてではないだろう」
    「でも前よりはまともに読めるようにはなってるな」
    「それは…まぁ、練習の成果が出ているとでも思ってくれ…」
    「御曹司はやっと字の練習をしたんだな…どれどれ?『瑶光の浜には、恋人に捨てられた女性の妖魔がさまよっている。夜な夜な近くを通りがかる幸せそうな男性を連れ去って、パックリと食べてしまうようだ』…?なんだこれ?」
    「それは親友に仕掛けるイタズラのネタだ」
    パイモンが落ちた本のページを破ったような紙を拾い、そこに書いてあるまだ少し読みにくい文をたどたどしく読み上げる。私もパイモンも頭の上にハテナマークをいくつも浮かべる反面、その紙の持ち主であろう行秋はなんてことない顔で言ってのけた。
    「それが挟まっていたこの本は僕が今持参してきた本だ。この前発売されたばかりの本で、暇な時に読もうと持ち歩いていたのだけれど、そういえばメモを挟んでいたんだった。忘れていたよ。でも支障はない。次親友に会ったときに渡せばいいことだからね」
    「でもこれって嘘の情報じゃないか?前にも重雲に信憑性のない噂教えてただろ?万民堂には唐辛子を食い尽くす妖怪が出没するーとか、璃月港にはアイスの化身たる大妖怪が潜んでいるーとか」
    「おや…?なぜそれを知っているんだい?」
    「オイラたち、前に重雲の手伝いで妖魔探しをしたことあるんだ!それでその時、たくさんの手がかりを一緒に確認したんだけど、すごく嘘っぱちみたいな情報だったから、情報源を聞いたら重雲が行秋っていう友人から教えてもらったって言ってたんだ!その行秋ってお前だろ?」
    「…驚いたよ。まさか君たちが重雲と知り合いだったなんて」
    「ふふん!なんてったってオイラと旅人は色んなところを旅しているからな!友達だってたくさんいるんだぜ!」
    「ふふ、それはいいことだね。でも僕の情報が嘘だってどうして分かるんだい?嘘じゃない、本当の話の可能性だってあるじゃないか」
    「いや…それはどう見たって嘘っぱちだろ…重雲も万民堂の妖怪についてグゥオパァーだと分かってたぞ…」
    パイモンの返答を聞いて、行秋は一瞬目を見開いたあと、すぐに愉快そうに笑った。
    「あっはは、それはいいね」
    「なにがいいんだよ!」
    「では旅人、パイモン。僕はここら辺で失礼するよ。その本は全てあげるから、暇なときにでも読んでみるといい」
    行秋は手に持っていた何冊かの本を紀芳のところへと持って行き、会計を済ませた後本の山の上に置いた。そして私たちがなにか言う暇もなく階段を降りていってしまった。
    「え!!!今帰るのかよ!!!!」
    確かに日は沈んできてはいるがはて、話の途中ではなかったか。パイモンの大声が辺りに響いているため、聞こえてはいそうだけど。
    しかし帰ってしまったものは仕方ない。とりあえずは今日あったことを胡桃と香菱に言ってみよう。積み上げられた本とこれまたわざと置いて行ったのか破られた本のページから目を逸らしたまま、二人してそう思った。
    そしてこれは後から知ることだが、ページが挟まれていた、この間買って暇な時に読もうと思っていたというあの新刊、あれだけが無くなっていた。…気づいたのはパイモンである。




    思わず目を瞑ってしまいそうなほどの晴天。行秋に会えたということを胡桃と香菱に報告するために万民堂に来た私たちは、こんな暑い中熱い厨房でせっせと働く香菱を見て、胡桃はまだ仕事で来れないって言っていたし…と手伝いをすることにした。料理を配達するのはモンドでもやっているからお易い御用!と伝えるとまんまるの目をキラキラさせながら「ほんと?!助かるよ〜!」と三十件ほどの配達サービスを頼まれた。こんなにあるのか…万民堂はたいへんだな…と思いつつも、あの可愛い笑顔のためなら私たちも頑張るしかない。少しでも負担を減らそう。
    そうして緋雲の丘、チ虎岩、玉京台など璃月港をぐるぐると走り回っているうちにやっと残りがあと一件になった。途中で死兆星号からの依頼があり、ん?と思ったがどうやら北斗と万葉が頼んだものらしく、北斗は得意げにやっぱり万民堂の激辛料理は心の支えになるな!と豚肉の油炒めを美味しそうに頬張っていた。残り一件かい?頑張れよ!と元気づけられたのがそれはもう支えになった。
    「ええと…最後は…あれ?」
    香菱から渡されたメモ。そこに走り書きしたような字で書いてある、今話題の中心のもう片方。私とパイモンは思わず目をあわせた。
    重雲だ!!

    「…とりあえず、戻って香菱に重雲がどこにいるのかを聞いてみよう。このまま歩き続けるとオイラ疲れるぞ…」
    最後の配達先が重雲だと分かってからすでに15分が経っていた。その間私たちは何をしていたのかと言うと、重雲の居場所が分からずうろうろしていたのだ。香菱から渡されたメモには璃月港としか書いておらず、璃月港のどこにいるのか、また重雲のことだからもしかしたらドラゴンスパインにでも修行に行っているのではないかと思い、1度香菱に聞いてみることにしたところであった。
    重雲に配達するのは軽いクーラーボックス。この前一緒に万民堂に行った時に、そういえばアイスを頼んでいたような…と記憶を探る。あの時は唐辛子入りのアイスを作ってしまい重雲に申し訳ない。また今度機会があったら普通のアイスを作ろう。
    「しゃんりーん!いるかー?」
    万民堂について中を覗く。見たところ香菱は居ないようだ。出かけているのかな?
    「わ!!!」
    「わ?!?!」
    「テッテレー!私でしたー!」
    「胡桃!まったく驚かすなよ!心臓が飛び出ると思ったじゃないか!」
    「パイモンは面白い反応するね〜!香菱と同じくらい面白い!」
    あの子ったらかわいいんだから〜!と言う胡桃の手には梅の花で作ったと見られるお菓子があった。
    「人が驚くのを面白いって言うなよ!…ってあれ、なんで胡桃はここにいるんだ?」
    「え?今日がみんなで集まる日じゃなかったの?あなたたち、行秋と話したんでしょ?仕事がやーっと終わったから、来たんだけど…」
    「…あっ!思い出した!配達に集中しすぎて忘れていたぞー…。あ、そうだ胡桃、香菱がどこにいるのか知らないか?オイラたち重雲の居場所を聞きたくて…」
    胡桃は一瞬悩む素振りを見せたあと、なにか面白いものを見たみたいに目を細めた。
    「…ふたりともどこにいるのかは知らないけど、もし重雲に会えたら、いろいろ聞いてみよっ!例えば行秋坊っちゃまのことをどう思っているのかとか、本当に親友なのかとか、うんうん、その方が私も行秋坊っちゃまからの恋愛相談でもっとアドバイスしてあげられるね!」

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    「胡桃」
    「も〜せっかちだなぁ!最後まで言わせてくれたっていいじゃんか!あ、それとも〜?ちょっ〜と厄介なお客さんだったり?うんうん!そっかぁ!じゃぁ私がお話してあげよっか…」
    「重雲のことが好きかもしれない」





    「もう無理!!被害者の会を作る!!」
    だん!!っと思いっきり机を叩いたのは往生堂堂主、胡桃。普段はあちこちを飛び回っていて考えていることが読めない少女が、層岩巨淵に引きこもっていた私を(半ば無理矢理)引っ張っていった。「やっと見つけたわ旅人…」と怨霊でさえも怯んでしまいそうな恐ろしい表情で腕を掴まれた時には、パイモンと一緒になって情けなく大声で叫んでしまった。あの場にキノコンと幻形イノシシ・水しかいなかったのがせめてもの救いだ。誰かがいたら確実に笑われていただろう。閑話休題。今ここには私とパイモン、胡桃以外にも香菱がいて、集まって一言目。それは集まった理由でもなく、急に招集したことへの謝罪でもなかった。被害者の会?と聞いたことのある言葉に、パイモンと目を合わせる。
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