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    バレンタイン真イヌ
    SS通い始めの頃から欠かさず毎年チョコあげてる🐶ぴ
    チロルチョコ1個に始まって子どもが出来る精一杯を上げてたけど真ちゃんからお返し貰ったこと無くてでもあんまり気にしたことなかった20歳の年のバレンタイン真ちゃんがキメッキメでめちゃくちゃベタな告白する話を書きたかったのにプレゼントのとこはしおってせめてやらしいとこまでいこうとしたら途中で気力が尽きちゃいました

    S・Sのバレンタイン真っ白な頬が薄いピンクに染まり、見る度綺麗な花緑青の瞳は伏せられ長い睫毛が震えている。その姿がたまらなく可愛かった。しかもオレへ差し出すちっこい手の上には一つのチロルチョコ。




    「……これ、真一郎くん貰って」




    そう言った姿にオレは愛おしいと思ってしまった。まだ小学生の男の子。オレよりオレの弟の万次郎と歳が近いその子に圭介や春千夜には抱かない感情を抱いてしまった。




    「ありがとな、青宗」





    それを隠すようにチロルチョコを取り撫で慣れた柔らかいブロンドに手を置く。いつもと違いわしゃわしゃと撫でて抱く感情に蓋をした。





    「ううん!貰ってくれてありがとう!」




    なのにさっきまでの照れを感じさせないデカい目を閉じるかのように細めて、口を限界まで開けた笑顔は純で無垢で何よりも美しくて。胸に何かがとぐろをまくのが自分でよく分かる。愛おしさとその何かはイザナや万次郎、エマに対するものと明らかに違ってて、また圭介や春千夜とも違っていた。





    「……青宗」
    「うん?」





    ブロンドから丸みのある頬へ手を滑らせ、そのまま掬い上げる。ふにっとハリのある唇を親指でなぞったのは無意識だった。




    「他にもチョコ誰かにやんの?」
    「うん、ワカくんとベンケイくんにもあげたい」




    徐々に笑顔が解れて花緑青の瞳にオレが映る。なんで?と言うかのようなその瞳は真っ直ぐだ。だからこそ、胸の何かがより一層濃くなっていく。それが良くないと思っていても止め方が分からない。




    「……だめ?」




    不安げに真っ直ぐな瞳に満たされるオレはきっと自分でも知らない自分の影を感じる。撫でてる指を唇の形に沿って這わせ少し開いた口内へ割り入れた。それに抵抗されず舌に辿り着く。暖かく柔らかい口内を堪能するように奥へ奥へ見えなくなっていくその様は背筋をゾクゾクとさせると同時に酷く満たされていくのがはっきりと分かった。




    「良いよ...でも、オレにはずっとバレンタインして」
    「ずっろぉ?」





    暖かい口内に加えてオレの言葉を繰り返すことで指をまだ薄い舌が包む。それに湧き上がってくる欲をオレは知っていた。





    「あぁずっとオレにくれよ、青宗」






    オレは分かっていた。この時からずっと。




    ____________________________________________________________






    青宗と出会ってから20年以上の時間が流れようとしていた。初めて貰ったチロルチョコからずっとオレにバレンタインを準備しプレゼントしてくれる青宗に我慢ならず手を出したのは細かくは言えないが青宗がヒールを履き始めた頃だとは五条ジムの友人たちに言えそうもない。まぁ、あの二人のことだから気づいてそうではあるし青宗が言う可能性もと考えてそれはないなと一瞬で引っ込めた。青宗はあまり思うことを話すことはしない。話し下手と言うよりは自分の大事な部分は自分が分かっていれば良い気質だ。他の人間の理解を得ようとしないから外見の冷艶さと相まって近寄り難く見えるけど人付き合いは心配になるくらい上手い。なんと言うか、年上には人の庇護欲を掻き立てるし年下には信頼を寄せられている。まぁ、万次郎や堅など族をする前にオレ経由で知り合ったメンツはどっちかと言えば同い年組に近い付き合い方をしている。







    そんなことを1人で考えてる内に店の近くで借りたマンションに帰り着いた。エントランスを抜けエレベーターで3階まで上がる。





    青宗の同い年組の幼なじみが用意したこのマンションの一室。いや、正しくはもう一室あって一応オレの分だったりもするけど専ら青宗の部屋に帰ってるからと幼なじみに話しても




    『必要になる時が絶対来るんで持っておいて損はないと思います』





    棘だらけの言葉が帰ってきたからそのまま。いや、そもそも必要になる時が絶対来るってなんなんだよ。オレが青宗を手放すとでも思ってんのか、アイツ。





    「……真一郎くん?」
    「え?あれ…青宗?出迎え?ありがとな」
    「ここリビングだよ、真一郎くん...」
    「…だな。いや考え事してたらいつの間にか玄関開けてここまで来てたんだな」





    我ながらドン引きしてる中、青宗は少し眉を下げてオレを見上げる。





    「体調悪いとかじゃない?」
    「大丈夫」
    「……そう言ってこの前の熱出した」
    「この前のは本当に気づかなかったんだよ」





    健気にオレを心配する青宗が愛おしくて鮮やかなブロンドを耳へと掛けながら本当に大丈夫だと囁き、むき出しになった頬に唇を押し付けた。青宗の厄介幼なじみのこと考えてイラついてたと言うのはさすがにもうこの歳でダサい。それに今日はバレンタインだ。青宗がオレにバレンタインする日。特にパートナーとなった今、プレゼントもだがベッドの上でも青宗はバレンタインをくれる。だから、そんな日にこれ以上の影はいらない。頬から鼻、瞼やこめかみ、額に人中などにキスを落とす。夜はこれから、今朝貰い早速付けて行ったベルトを片手でガチャガチャと外した。





    「青宗、手出して」





    するりと抜けたと同時に反射で青宗は床へ屈もうとする。オレが反射的にさせてしまったそれを阻止するために唇へ口付けてそういうと大人しく出す従順さを知るのは。
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    ss8_is_ss

    CAN’T MAKEバレンタイン真イヌ
    SS通い始めの頃から欠かさず毎年チョコあげてる🐶ぴ
    チロルチョコ1個に始まって子どもが出来る精一杯を上げてたけど真ちゃんからお返し貰ったこと無くてでもあんまり気にしたことなかった20歳の年のバレンタイン真ちゃんがキメッキメでめちゃくちゃベタな告白する話を書きたかったのにプレゼントのとこはしおってせめてやらしいとこまでいこうとしたら途中で気力が尽きちゃいました
    S・Sのバレンタイン真っ白な頬が薄いピンクに染まり、見る度綺麗な花緑青の瞳は伏せられ長い睫毛が震えている。その姿がたまらなく可愛かった。しかもオレへ差し出すちっこい手の上には一つのチロルチョコ。




    「……これ、真一郎くん貰って」




    そう言った姿にオレは愛おしいと思ってしまった。まだ小学生の男の子。オレよりオレの弟の万次郎と歳が近いその子に圭介や春千夜には抱かない感情を抱いてしまった。




    「ありがとな、青宗」





    それを隠すようにチロルチョコを取り撫で慣れた柔らかいブロンドに手を置く。いつもと違いわしゃわしゃと撫でて抱く感情に蓋をした。





    「ううん!貰ってくれてありがとう!」




    なのにさっきまでの照れを感じさせないデカい目を閉じるかのように細めて、口を限界まで開けた笑顔は純で無垢で何よりも美しくて。胸に何かがとぐろをまくのが自分でよく分かる。愛おしさとその何かはイザナや万次郎、エマに対するものと明らかに違ってて、また圭介や春千夜とも違っていた。
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