「ねぇ」知っていた。あの船が着陸したことを
中に誰が乗っているかも
年中一面の銀世界を作り続けるこの星にある館から見えていたその船は銀世界に負けず劣らずの白で構成されているが、中に乗る者たちはそれなりに様々な色を身にまとっている
そんな事はどうでもいいのだ
館の廊下に飾られた1人の船長の話をゆっくりと順を追って眺めながら前へ前へと進む。地につける足はないから、雰囲気を醸し出すための足音は残念ながら出せないが
悠長にしている場合でもないが、実際に着陸した船の船員達がこの館に辿り着くまでには時間がかかるだろう。お人好しの奴らのことだろうから
迷子になりそうな館を瞬時に移動する技を駆使して悩むことなく進んでいく。窓が割れているせいであちこちに雪が積もっていたり氷柱が形成されていた
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