(未完)「あの子に会える魔法の小瓶」No.022.
――結局いつもこうなる。
風呂から上がり、水を飲もうとリビングに向かいながら理解は思った。
些細なことで大瀬は謝る。俯き苦しそうに。それを見て、理解も苦しくなる。
苦しめたのは私なのだろうか。いや、私は悪くない。
恋人について知りたいと思うことが、悪であるはずがない。
理解の思考は堂々巡りしていた。
自分は悪くない――なら、大瀬が謝るべきなのだろうか。それもまた違うように思われた。
「あ、理解君」
リビングには騒がしい先客がいた。
理解に気づいたのは依央利だった。
その声に、右手にワイングラスを持ったテラがこちらを向く。
こいつらは、また飲んでいるのか――と理解は呆れる。
「理解君も座って!白湯でいいんだよね」
依央利が立ち上がった。
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