2/8特別なのは俺だけでいい その日、俺の秘書がバビルスに研修報告に行っていたので夕方に迎えに行った。
パトラ室を出たと連絡が来たので校門へ向かうと、彼女がこちらに向かってくるのが見えたので手を振る。
けど彼女が走り出そうとした途端に、横から制服姿の男悪魔が彼女に声をかけた。
その男の熱のこもった眼差しと、彼女の困惑の顔、そして伸ばされた手で用件を察する。
即座に彼女の元へ向かい後ろから抱きすくめた。
「帰ろ」
「メフィスト様!」
彼女がこちらを向いて嬉しそうにする。男悪魔は明らかな敵愾心をこちらに向ける。
「誰だよ!?」
「俺? この子のダーリンですけど。君こそ、この娘のなんなの」
「お、おれは」
「去年同じクラスだったヒトです」
「そっか、じゃあ知らないヒトだね。帰ろ」
863