雪音「人気投票もようやくひと区切り、といったところだな」
花依斗「ああ」
雪音「それにしても花依斗はすごいな。今年も決勝に残るなんて」
花依斗「…お前が言うと嫌味に聞こえないのが不思議でならない」
雪音「…?」
花依斗「2年連続で出ているのはお前の方だ。俺は去年の決勝には出ていない」
雪音「それでも決勝に行った経験があるだけですごいことだろ?」
花依斗「はぁ…だからそれはお前も一緒だ。ましてやお前は去年優勝しているのだから」
雪音「それを言ったら決勝に初めて出て優勝したお前も…」
紫音「花依斗くーん!!決勝楽しかったねー!!」
花依斗「…チッうるせぇのが来た」
紫音「うふふ。ねぇねぇ、花依斗くーん。僕優勝しちゃった♡」
花依斗「ああ、知っている」
紫音「何か言うことなあい?僕、君に圧勝したんだよ〜?」
花依斗「チッ…口が減らねえやつだな」
雪音「紫音、優勝おめでとう。お前と決勝で戦えるのは初めてだったな」
紫音「うん、そうだね。僕としては雪と戦うのは嫌だったけど…」
雪音「そうか?俺は楽しかった。それにお前が優勝したのだったら俺も嬉しい」
紫音「うーん…でも今回ばかりは雪に勝ってしまったことを悔いてはいけないよねぇ…僕のこと応援してくれた子たちに失礼だもの」
花依斗「ほう、お前でもそういうことは考えるのか」
紫音「うん。だって応援してくれる子がいなかったら僕に票なんて入らないよ?どう?これで花依斗くんも僕のこと好きになってくれた?」
花依斗「少しだけ見直した」
紫音「も〜、素直じゃないんだから〜。でも…花依斗くんに圧勝できたのはすっごく気持ちいい!」
花依斗「やっぱりこいつクソだった」
雪音「ふふ…だがお前はそもそも紫音のことは嫌っていないだろ?」
花依斗「ああ、そうだな」
紫音「はぁ…!花依斗くんがやっと僕のこと好きって…」
花依斗「この性格の悪さも含めてこいつはこういうやつだと思ってる」
紫音「何こいつ!こいつだってクソなんですけど!」
雪音「ふふ…まあまあ…。だがお前はいつも花依斗と競ってばかりだ。たまには俺と競うのもいいんじゃないか?」
紫音「えー、やだぁ。僕は常に雪の後ろをついていきたいの。君と競い合うなんて嫌だよ」
花依斗「ふん、どの口が言ってんだか」
紫音「花依斗くんは特別♡僕ね、とっても優秀だから誰かと優劣つけるとかそんなのクソほどどうでもいいけど、花依斗くんには負けたくないって思うの。こんなこと思うの君だけだよ?」
花依斗「…微塵も嬉しくねぇな」
紫音「もー。花依斗くんはいーっつも素直じゃないんだから〜」
花依斗「うぜぇ…」
雪音「俺はいつまでもお前たちのそういうやり取りが見られらば満足だ」
世和「よ、幹部サマ?」
雪音「世和。姿を見ないと思ったらどこに行ってたんだ?」
世和「あー、悪い。ここに用があるってやつがいてさ、そっちと喋ってた」
花依斗「その用があるやつは?」
世和「それが…」
紫音「ところで世和?」
世和「お?どうした?」
紫音「決勝戦出場の感想は?」
世和「え?感想?んー…なんつーかあんま自分がそんな上位に行った実感がないってのが正直なところかな。でもなんか楽しかったわ」
雪音「お前が楽しめたのなら何よりだ」
世和「俺、あんま1番になりたいとかそういうの気にしてこなかったからさ。こうやって俺のこと応援してくれる人がいるんだなって思えたのが新鮮だった」
紫音「これで君がもっと本気出してくれたら僕たちも仕事しやすくなるよ」
世和「え?いや、別にいつもサボってるわけじゃねーんだけどな…」
花依斗「お前はこき使うだけだろ」
紫音「こーんなに優秀な子、逆にこき使わない方が失礼じゃない?」
世和「まぁこき使ってもいいけど程々にな?俺にだってできないことはあるんだし」
花依斗「こき使っていいのかよ…」
世和「なんでそんなこと聞くんだよ?これって人気投票後の恒例行事?」
雪音「たしかに気づいたら毎回こういうのやってた気がする」
紫音「僕は単純に君に聞きたかっただけなんだけどね。君ってこういうときあまり自分の意見を言わないから」
世和「あれ?そうだっけ?あんま気にしたことなかったや」
梓紗「ちょっとせな!まだ!?!?」
世和「あ、悪い。もう入ってきてよさげー」
花依斗「先程の用があるやつってのは…」
梓紗「えへへー、僕たちのことだよ!」
雪音「どうかしたのか?」
梓紗「どうかしたもなにも〜…今日からバディ戦だよ?ふふ…だから優勝バディの僕たちがご挨拶に来たの!」
紺碧「花依斗さん、お疲れ様です。予選で負けた悔しさはここで返しますよ」
花依斗「ふん、お前も言うようになったな」
世和「紺碧と花依斗ってそんな仲良かったっけ?」
紫音「あれだよ。季節イベント系で一緒のこと多かったら。それで仲良くなったの」
世和「ああ、なるほど。あの手のイベントはそういう意外な関わりあっていいよな」
梓紗「僕、今回は絶対かいとのとこに勝つからね!」
花依斗「ふん、相棒の仇か?」
紺碧「いえ。梓紗は予選で成星と当たってたでしょ?だからこいつはこいつで花依斗さんの相棒に勝ちたいんですよ」
花依斗「ああ…そういうことか」
梓紗「だからかいと!絶対決勝に来てね!僕たち待ってるから!」
花依斗「ふん、誰に言っている。俺とあいつの力をなめるなよ」
紫音「ちょっとちょっとー。そういう話は僕たちも混ぜてよー。僕と雪だって決勝行きたいよねぇ?」
雪音「ああ、そうだな。お前も花依斗とまた戦いたいだろ?」
紫音「もちろん。でも花依斗くんと戦うなら決勝に行かなきゃ」
雪音「ああ、全力は尽くそう」
世和「はぁ…お前らみんな元気だなぁ…」
紫音「おや?君はこの決勝戦を通じてもまだ1位なんていいや〜とか言うの?」
世和「いいや、バディ戦は朱優と一緒だろ?そんなこと言ってらんねーよ。…ふん、全力を尽くせって言われてるからな」
花依斗「ほう、お前もやる気のようだな」
世和「ま、俺にできることやるだけだよ」
雪音「全員が全力で取り組むのはいいことだ。その方がどんな結果になろうとも楽しいことに変わりないからな」
梓紗「うん!僕やっぱここ来てよかった!」
紺碧「お前は随分余裕そうだなぁ…」
梓紗「こうやってみんながやる気なの見たら僕たちだって頑張ろって思えるでしょ?」
紺碧「まあ…それはそうだけど…」
梓紗「えへへ!決勝に誰が来るか楽しみだなぁ!」