向日葵の似合う君にプロローグ
天馬司が、亡くなった。
演出のため、スタージの天井に吊るしていた鉄材が落ちてきたらしい。
僕と寧々は元々ステージ袖にいたため安全だった。えむくんは運良く鉄材に当たらなかった。ただ、司くんは当たりどころが悪かった。即死だった。
そんなステージを見て悲鳴を上げる客たち。
そして泣き崩れるえむくん。
救急車を呼ぶ寧々。
僕は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
「僕のせいだ………」
あの日から数日経った。
司の葬式が行われた。
私とえむで出席した。今でも信じられなかった。
類はこなかった。
「司くん、嫌だよ……」
「司……」
葬式が終わった後、私たちは類の家に行った。
「類、いる?」
返事がない。ただ鍵は空いていた。
「類?」
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