We are Buddy.　ふと目が覚めてみると、大きな背中が視界に入った。広々と、そして隆々とした、傷だらけの背中。少し背を丸くして、獠はベッドサイドに腰掛けていた。その肩は一定のリズムを刻みながら、静かに上下を繰り返している。あたしは、身体に掛けられていたシーツを払って起き上がった。
　獠の背中には、今夜あたしが残した傷以外にも、生々しい打撲の痕が残っていた。それは、あたしを庇ったがために受けた傷だった。獠はいつも、依頼人やあたしが爆発に巻き込まれたとき、必ず庇ってくれる。その大きな身体を盾にして、爆風や瓦礫から守ってくれるの。今日だって、そうやってあたしを守り、獠は負傷した。
　それが、獠の仕事。それが、獠の生業。あたしも、頭ではわかっている。けれど、こうして獠の背中を見ていると、あたしのせいで傷つけてしまった事実を、改めて突きつけられた気がした。あたしは、獠の背中へ手を伸ばした。でも、その肌へ触れる直前で、あたしの手が止まった。――触れたからと言って、何が変わるのだろう。謝ったって、慰めたって、感謝したって、この傷が消えるわけじゃない。そもそも、獠自身はそんなことを望んでいない。それは、誰よりもあたしが一番よくわかっている。だからあたしは、その傷に触れることも、その傷ついた背中を抱きしめることもできなかった。それならば、せめて――。

Wisteria　幕間1　「はじまり始まり」「Wisteria」について異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。

R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
又、一部別の創作作品とのリンクもあります。なるべくこの作品単体で読めるようにはしていますがご了承を。

※ポイピクの仕様上、「濁点表現」が読みづらいですが脳内で保管して頂けると助かります。もし今後、ポイピクの方で綺麗に表示される様に成りましたら修正していこうと思います。



「はじまり始まり」

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦・ハロウィン編〜　二次創作ここは秀知院学園生徒会室。歴史ある由緒正しき学校の神聖なる場所である。
「な、なんだ？四宮…その格好は。」
四宮は今、真っ黒で丈の長さが丁度膝程あるドレスに身を包み、頭には猫耳をつけていた。
「もうすぐハロウィンですからね。うちの学校では毎年フランスの姉妹校とお祝いするじゃないですか。もしかして会長、昨年のことお忘れでしたか？」
「いや、忘れてはいないが。そうじゃなくてだな…その格好について聞いているんだ。」
「これのことですか？これは見ての通り黒猫のコスプレですよ。世界的有名なデザイナーに特注で用意させました。」
<<マリアージュ！！>>
これまでの二人の恋愛頭脳戦をご覧になった方はおわかりだろうが、改めて説明しよう。＜＜マリアージュ！！＞＞とは、漢字で書くと＜＜奇跡的相性！！＞＞となり、つまりはザックリ言うとめちゃくちゃベストマッチということである！