だれかの観察日記:司+レオ その⼈はいきなり部屋のすみにあらわれたので、とてもおどろきました。
ですから、このさっしはあの⼈の観察⽇記にしようと思います。
――朱桜司
♪
×⽉×⽇・くもり
その⼈はいきなり部屋のすみにあらわれたので、とてもおどろきました。
⽣気のないかおでぼう、としていて、さいしょは、ちみもうりょうのたぐい、かもしれないと思いましたが、その⼈も反応がうすいながらおどろいていたようで、なんどか⽴ったりすわったりをくり返したあとに、「ああ、ゆめか」とつぶやきました。
家のものにかくにんをさせても、⾸をかしげられるばかり。だれかをともなって部屋にはいると、その⼈はこつぜんといなくなるのです。
⼦どもになら⾒えるのではないか、と思い、こっそりと桜河をつれてきてみても、同じでした。
5292