We're criminals澄み渡る青空、明るく輝く太陽。眩しい、暖かい、………
くそったれたこの世界は今日も美しい。
「────」
幽霊は鏡に向かって呟く。
犯罪者である彼らはきっと何気ない日常を何よりも大切にしているであろう。
いつ、誰が、どこで、何が起こるか分からないこの世界は尊くて、愛おしい。
彼は大量の資料を持って仲間の元へと向かった。
一方で、幽霊によってアジトに集められた者たちはというと、
とある者はコーヒーをすすりながらテレビを眺め、ある者はソファーの大部分を使って昼寝をしている。
また、ある者はパソコンと向かいあっていて、ある者は銃の手入れをしている。
そして、ある者たちは楽しくお喋りをしていた。
ガチャ、と扉が開かれる。
バラバラで緩やかな空間は一瞬にして緊張に包まれた。
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