zoo 昨日の帰りが遅かったせいか、今日が休みと気を抜いたせいか、つい昼まで寝てしまった。何だか勿体無い気分になる。リビングへ近付くと、にんにくの香りが鼻を抜け腹の虫が鳴った。
「おはようルークくん、お昼ご飯できてるよ。食べれる?」
アウリスは、遅く起きた僕を気遣わしげに見つめて来る。大丈夫だ、食べると伝えると、さっきの表情と変わりニコニコと屈託のない笑顔を向けた。
「おはよう、どっち食べる?よそうよ」
キリエも気が利く。周りをよく見ていて、いろんな事に直ぐ気がついてくれる。この家の一番の良心だ。それに比べて…
「……セオドア、喋るか食べるかどっちかにしろ」
「うぇっ、ゲホッゲホッ、そんな事言うから詰まったじゃんかあ!あっ…オハヨ、ルーク」
「キース寝るなら部屋へ行け」
「うーん、ねないー」
はあ…まったく。
今日もルークの注意する声が飛んでる。アハハッ、毎回面白いねホント。あれでもまだマシになった方だし、程々にしてやれよルーク。とは思うが言ってやらない。その方が面白いだろうしね。ただし、姉さんの前を裸で歩くのは厳禁だ。
「飽きない家で良かった。ね、姉さん」
「そうだな、賑やかなのも良いな」
気に入ったのか、口いっぱいにスパゲッティを頬張る姉は、さながらリスの様だ。隣のネモも同じような顔になっている。リスが2匹。犬、猫。はて、この家は動物園だったか。
「何、僕の顔に何か付いてんの」
「頬袋」
「は?」