開封されなかったラブレター 一人で留守番中の魏無羨は、静室の片隅で見つけた手紙を前に考えていた。宛名は無く、差出人も示されていない。だが間違いなく藍忘機の筆だ。上質な紙は古びれていても、しっかりしている。が、なぜか折り線がたくさんついている。紙を折った後に残された山折りと谷折りの痕跡がたくさんある。小さくたたんでいたのか? それにしても不規則な折り線だ。藍忘機の私物を勝手に触るのは間違っていると思いつつも、この線が謎解きを要求するので、挑戦に応じてやったまでだ、ということにする。
手先と計算、図形において卓越している彼は紙についた折り線を頼りに、順々に折りたたんで、あっという間に元の形に戻した。
(うさぎか)
うさぎの紙人形は子供の頃に作った記憶があった。だから紙を折って行く途中から楽しくなって完璧に作れたのだ。その出来に満足していると
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