【夢見る君と綴る詩】没ネタ①「そうだ。えむちゃん、知ってる?お昼でも空にはお星さまがあるんだよ」
「ほえ?そうなの?」
2時間目と3時間目の間の休み時間。お腹がきゅるるって鳴るにはまだちょっと早い時間。教室で穂波ちゃんと昨日の夜は空にたくさんのお星さまがあったねってお話していた。ふんわりと笑う穂波ちゃんの動きに合わせて、柔らかい髪がふわりと揺れる。あたしとは違う髪色、やさしさでいっぱいの穂波ちゃんにとっても似合ってる。穂波ちゃんの言葉に、あたしは目をぱちくりさせた。
「でもでも、今日はすっごくいい天気でぽかぽかーって日に空を見てもお星さまは見えないよ?」
あの日とかこの日とか、この間のお休みの日にお散歩したときもお星さまは見えなかった。両手を使って指折り思い出しながら話すあたしを見て、穂波ちゃんはほっぺたに手を当てながら笑っていた。
5390