山の上の孤児院・解はじめに。
こちらを読まれているという事はあの長い本文に目を通して下さった方々とお見受けしました。
本当にお疲れ様です。長々とお付き合い頂き有難うございました。
それではもう一語り。
・猫又霊幻新隆
人と関わり暮らす現世の霊とか相談所の所長。
茶トラの鍵尻尾で、長く愛された家猫が変化した妖怪。
(原作霊幻の普通さと髪色をイメージして茶トラに。美しい尻尾の猫又は沢山いるのでここではギリギリまで悩んで鍵尻尾に。鍵尻尾も愛らしいと知って頂きたいのと、その鍵で幸せを掴んで欲しいという想いも込めて)
省エネのために猫でいる事が多く所長席は空席。依頼人は大体困惑する。
猫状態でにゃーにゃーエクボ達と会話するので、依頼人にはエクボ達が猫と会話している様に見える。
(ここが出発点。猫の日の素敵作品から猫又霊幻とエクボが浮かび、軽く会話を書いて、その会話の入った話を軽く、ライトに、書くつもりでした)
原作のエクボは強くて霊幻は弱い、をそのままにするために猫又霊幻はネームバリューの割にとても弱いです。
(過去話に関係してくるので詳細は省きます)
・鬼エクボ
奇数(鬼数)の五本角を持つ最強クラスの鬼。
元々は人間でそこから上級悪霊、更に鬼へ転じる。
人型時は皆大好き守エク。
(描写出来ませんでしたが頬の赤丸もあります)
霊幻の強化に使うプール大の霊力を差し引いても余りある湖大の霊力を持つ。
(作中では赤い花を塗るために必要なクレヨン量で例えました)
応接セットで猫霊幻を抱っこしている事が多い。
・社様(やしろさま)
猫霊幻を最後の力を振り絞って猫又にした恩人。恩神?
そのため強さランキングで言うと猫又霊幻に近くとても弱い神様。
相談所の屋上にある社に住み、霊幻達が解体した霊の事後処理などを担当する。
異界にある裏相談所にも出入りし、そちらの霊幻とも知り合い。
(猫又霊幻の過去話関係なので詳細は割愛しますが、どうしてもオリキャラを出さなければならなくなった理由です。
猫又霊幻をネームバリューの割に弱くするために必要だったのと、エクボ達、溶かしはしますが成仏や霊界に導いたりはしません…私が知っている限りは。
今回、孤児院の子供達という事もあり、今後もあるならばこのまま消すのはあまりにも不憫という怪異達を昇華するためにも屋上に添えました。
それからエク霊茶々係ですね。お節介係とも言う。
出来る限りキャラクター性を削り落とそうと名前もそのまま社様にしたというのに結構出張ってしまってまぁまぁ濃ゆく。
元からいる最上を据える事も考えたのですがあの人モブ君クラスに強いじゃないですか…解決に霊幻達が必要なくなってしまうので却下。物語の主軸の破綻。ダメ。絶対。)
・依頼人
(本文の説明にも軽く書かせて頂きましたが元々伸びないウェーイ系の、読者が眉を顰めたくなるキャラを想定していた筈がただのいい人達になってしまいました。どうしてこうなった。
最後の抵抗に名前は一切出さず、あくまで依頼人、モブキャラで通しました。
いいキャラしているので次があれば出たりするかも知れませんね。そしたら何時の間にか名前がついているかも知れません)
・怪異達
(先ず孤児院という舞台からつまずいて、丁度その頃エク霊で孤児院をモチーフに書かれた作品を拝読しており、直近で孤児院がもう一つ出るのはどうかと他の場所も考えそれでもやりたい事を書くには孤児院しか。
そこは諦めて次に考えた、孤児院が廃墟になる理由にまたつまずき。その作品が火事だったので火事は使えない。それもこれも勝手な拘りなので自分で自分の首を絞めているだけにつき笑って流して頂ければ幸いです。
海沿いに住んでいないので津波の本当の恐怖は分からない。書いてもきっと薄っぺらくなる。
そんなこんなで場所は山。山でも容赦なく突然やってきて誰も逃げられない、経験した事のある大きめの災害。地震しか無い。子供達にあまり酷い事はしたくなかったのでせめて即×。地震なら出来る。そのようになりました。
A君、B君、Cちゃん、院長は噂話の中の登場人物であり、噂の原点になった本当に生きていた人達でもある。リアル過ぎてもあり得な過ぎてもいけないと思い、人格はありつつあくまでエク霊が解き明かす怪異として名前は噂の中のままです。
他にいた子供達は成仏したかも知れないし、噂の中に取り込まれて確実にいた三人にふよふよとくっついていたかも知れません。
成仏したなら駆け回っていた影法師は噂の見せる幻影の様なものだし、くっついていたのならそれらだったかも知れません。ここは決めていないのでお好みで。どちらにしろきちんと成仏はしておりますご安心を。
院長の真実は孤児院がメインである以上おまけで、恋文奇譚・裏の方で回収するために全隠ししようとも思いましたが書けるかは分からないし、そちらは霊幻受ではあるのですがエク霊ではないのでここでも軽く締めておこうと思いおまけ程度に記しておきました。
仙狸霊幻が預かるらしいという件もあるので、矢張り全く触れないのも気持ちが悪いだろうとも思ったので。
子供達の過去は本文で霊幻達に考察してもらい、加えて軽く噂話の反対造語、真話を作り、噂から始まった終わりに持ってきました。
あまり詳細に書かなかったのは、もうエク霊部分は終わっているのと、気軽に流し読み頂ければと思ったからです。
読んで頂ければ霊幻達の考察がどの程度合っていたのか、どういう子達だったのかも分かるかなとは思います。…多分。コミックの裏表紙みたいな。あっても無くても本筋には関わらない。知っていたらちょっとお得。そんな感じで)
・仙狸霊幻新隆
異界にある裏霊とか相談所の所長。猫の妖怪。
怪異の医者も兼任している。人間の治療も可能。
霊力を使った治療も可能だが、あまり怪我をしてくるな、という意味を込めて緊急だったりしない限り普通寄りの痛い治療をする。
(猫又を調べた際に仙狸も出て来てどちらの霊幻も使いたいと思い、バトルも多い私の書き方の治療問題解決のために医者に任命されました。私から)
・モブ
人間の超能力者。霊力は海クラス。
(出番はありませんでしたが実は相談所メンバーが全員揃っている時間軸です。会話させる隙があればと、エクボとの強さ対比のためにここだけ決めておきました。
結局二人がイチャつくので会話の隙は無く残念です)
・律
人間の超能力者。
(強さが分からなかったのと、彼を上手くイメージしてあげられなかったので取り敢えずジョブだけ決定。隙があればテル君や他の人達共々、出してあげたいと思ってます)
・芹沢
人間の超能力者。
狐憑き。
(狐の霊幻さんも使いたくて、芹沢さんには犬みたいな性格の狸も似合っていていいかなと思ったのですが人間の超能力者に。ここは変えるかも知れません。
出番は影山兄弟の理由のWコンボ。書いている時点で芹沢さんの情報が殆ど無かったので)
・霊とか相談所
妖怪、超能力者の人間、鬼を所員に内包し、且つ他の組織との繋がりがあるにも関わらず上手く回っている、お上所属やツメが羨ましがり、謎にも思う組織。
なんと思われようと誰も霊幻の所長席には座らない。
霊幻しか所長はいないと思っている。
(相談所の説明が入りそうなところがあれば必要だろうと決めてあった部分です。今回はお蔵)
・爪、政府
人間と妖怪、怪異の混合組織。種族の違いで内部争いしがち。
(こちらも同上。政府に関しては恋文奇譚・裏に必要なのでざっくりこの設定だけ据えて置きました。結局補足の裏でもCPの都合で使いはしませんでしたが)
・タイトルの話
元々一話完結ザ短編のつもりで始めたのに何故かシリーズに。本当はケース1〇〇、2〇〇と数字を振っていくつもりだったのですが(猫又霊幻の過去話を0話にするために)、モブ君達と会う話も書けたらいいなと欲が出て、数字が可笑しな事になるので止めました。
代わりに対峙する怪異名をそのまま使い、シリーズタイトルでエク霊がイチャつきつつお化けっぽい話もするよーって分かる感じに。恋文説話、奇談、異説なんかも候補にありました。恋文(ラブレター)とか。とうとう怪異いなくなったりもして。
自分で読んでいてエクボから霊幻へ、霊幻からエクボへの恋文みたいだなとも思ったのも含めて最終的に恋文奇譚に。
・本文の話
頭の創作噂話は脳内でざっくりまとめて書き始めました。怖い話苦手な癖に(バカなの?)。
救済措置の無い話も多いですが生きた依頼人を駆けこませなければならなかったため採用。煙草は残りの二人を引き離すためと、最大の禁忌があった方が面白いかなと思いまして。結局使いこなせず。
冒頭の依頼人が逃げるシーンはあまりにも気に食わなくて誤字脱字の修正中に殆ど書き直しました。Cちゃんに助けられるシーンはあまり変えておりません。
怪異に関しての話は私が拝見した諸々から出来た、みえないものに対する私のイメージです。
怪異は怖い。怖いと思われまくっているから強い。何故怖いかって分からないから。弱らせたければ考察して、理解して、噂話の怖い部分を削ぎ落とし解体してしまえばいい。そんなイメージで。
これを分かり易く組み込むのは毎回悩むのですが、でも私の中での怪異への回答なので変えるつもりは無く、結局苦労する訳ですね。
〇ーチ姫霊幻は、噂話を考えた時、怪異に攻撃される役割を割り振って、その時に決まりました。原作で煙草を吸っているらしいという情報を見て、煙草を吸わない私の苦肉の策です。
結界装置という不思議道具なら口に咥えてなくても、火をつける所作に違和感があっても大丈夫な筈、と。
単純に普段冷静な攻めを焦らせるのが好きなだけでもありますが。白状すると戦闘シーンとエクボが焦るシーンが書いていて一番楽しかったです。
結界が切れた霊幻を助ける役は元々エクボだったのですが、間に合わない方が絶望してくれると思ったのと、霊幻と小さな女の子が話すシーンは絶対可愛いという個人的な趣味で作りたかったのでエクボにごめんねしました。
攫われた当人の霊幻が落ち着いているのはエクボを信じているのと、自身の命より残った二人の安全を優先しているからです。
原作でも余り自分に価値が無いとは思っていそうですが(自分の利用価値は分かっていそう)死にたがっている訳では無いので、死にたくはないから生き汚くもなるけれど、なにものかになれるのならそれも仕方なし、というイメージで書いております。
依頼人達も二人消えているのに噂が開始するのが霊幻が攫われてからなのは、霊力の強いエクボがいた事で質が上がってホントウの怪異が開始したから、みたいなのがいいなぁ(決まってなかった)。
Cちゃんが霊幻をねこさん、エクボをおにさんと呼んでいるのはそのままの意味で、怪異である彼女には二人の本質が見えていたから見えたまま呼んだ、といった感じ。
院長が子供達を取り込んで強化する、というのは初期案の、噂の歪さにA君は院長と融合してしまっていてそこから逃げられず一緒に襲ってくる、の次案です。バラして襲わせたがために使えなくなった感じですね。
その方が院長への嫌悪は増すかな、とも思いましたし、恐怖演出としては子供達が×べられる方がおぞましいかなとも思ったので。
キスでのパワーアップと霊幻の「寄越せ」という台詞は結構初期からあった案です。
「寄越せ」と、猫と話すエクボをやりたいがためにこんなに長くなったと言っても過言ではありません。
長く語られ強力な怪異でエクボに瞬殺させず、引き離して霊幻を守る隙を与えない。それには場所がそこそこ広く、霊幻が必ず助けようとするだろう子供達がいる孤児院が向いているかなと。
加えて強いエクボがどう立ち回るかと、弱い霊幻がどう戦うかも見て頂きたくて。そうです。アクションやバトルが大好きです。
伸びた霊幻の髪を切り揃えるシーンがどうしても入れられなかったのも心残りですね。アレはエクボが切って、霊幻を守るための道具に加工されます。
今回は入れませんでしたが銃弾に加工して霊銃的なものを霊幻に使わせたい気持ちも。
依頼人が段々怪異に取り込まれつつあるのも描写しようか迷ったのですが、エク霊がメインなのと、気づくのが遅過ぎて差し込み難かったのでほのめかすだけに。
依頼人の仲間が車のトランクに突っ込まれているのは…そろそろギャグらしいギャグを入れないと(終わり際ですが)モサっぽさが…と思い。入れる時は流れるように入れました。一応×にはしない、筈です。全身痛いとは思いますが。
そんな事されても仲間が怒らないのはそういう性格だから。考えが足りない事はあるけれど悪い人ではないので何をやらかしたか理解しているし、仲間が怒ったのも無理はない、と思ってくれている筈。
孤児院から出て来て怪異達を瓶に収納するシーンも入れようと思っていたのですが、入らなそうなので没。
落とした懐中電灯、諸々の機材を拾って来て差し出してくれる子供達、入れたかった…。それに何もしないでふよふよついてくるだけの院長も入れたかった…。
社様との会話を依頼人視点にしたのは、出来る限り社様の描写を避けてオリジナル感を消すためでしたが会話だけで結構強烈なキャラに…。
帰り際に依頼人辺りにエクボが怪我をしているとバラされて、孤児院か相談所で依頼人と別れた後急に腹パン食らう初期案がありましたが話の流れ的に出来なくて、でもどうしても腹パンさせたかったので最後に差し込みました。
・おまけについて
私の書くものの性質上どうしても医者が必要になりました。
毎回なのでまたオリキャラを据えようかと思ったのですが既に社様が出ている。裏にもう一人の霊幻を使うつもりではいる。ならば医者を兼任してもらおうと。かっこ良くないですか。怪異の医者霊幻(中二)。
名前だけ出てしまっているので全然情報が無いまま終わるのも、けれどエク霊では無い、という事で話の外に置く事に。
真話と同様、こちらも読んでも読まなくても問題無い様にはしました。
それでは、此処までお付き合い頂き有難うございました。
書きたい事ばかりで長くなってしまいましたが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。