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    gryclwn_66

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    gryclwn_66

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    なんかこうかっこいい戦闘シーンがかきたかった

    とべねえアウラはただのアウラ砂塵が巻き上がり、大地を無数の魔物が行進する。群れの中心にはひときわ大きな大型の魔物が鋭い視線を辺りに向け、地響きのような鳴き声に周囲の魔物が呼応した。
    その先にあるのは人が暮らす小さな村。すぐにでも黒い波に飲み込まれそうなその村の前で、4人の冒険者がその波を食い止めていた。
    「バリアの張替えと回復を飛ばす。ジャクリーン、オリバーに視線を通して」
    「わかった!」
    賢者キャルムの静かながらも戦場でもよく通る冷静な声が指示を飛ばす。
    その言葉に即座に反応したモンクジャクリーンは目の前の敵に拳を叩き込むと、数歩移動し、ぐっと地面を強く踏みしめた。
    「ハァッ!!」
    彼女の拳が付きだされると同時に、その細腕からか考えられないような衝撃が前方の魔物たちを文字通り吹き飛ばす。
    魔物の海にできた道、その先に大剣を構え、一歩も引くことなくすべてを受け止めている暗黒騎士オリバーの姿があった。
    その姿が見えた瞬間、キャルムの操る賢具が素早く飛び、オリバーの体を何重もの光が覆う。
    「ありがとう、キャルム!……お前たちの相手は僕だよ」
    ジャクリーンに向かおうとしていた敵にその大剣を振り下ろす。再び魔物たちの視線がすべてオリバーの向けられるが、その表情は崩れない。
    そこには仲間への絶対の信頼があった。
    しかしそれでも敵の数は多く、終わりが見えない戦いにオリバーは唇をかむ。絶対に倒れないという自信はあるが、それでもこの状況が長く続くのは避けたい。
    視線をあげれば魔物の群れの奥に見える、巨体。おそらくアイツをどうにかすれば状況にも変化が起きそうだ。
    そう判断したオリバーは仲間たちの名前を叫ぶ。
    「キャルム!ケイトにバリアを!ジャクリーン背中頼んだよ」
    「! まかせて」
    兄からの言葉に反応する耳がそのやる気を表している。そんな妹の姿に一瞬オリバーの瞳が優しく光るが、すぐに真剣なそれに代わる。
    ジャクリーンが周囲の敵を牽制している間に、オリバーは持っていた大剣を肩に乗せ、腰を落として地面と平行に構える。
    そして大きく息を吸い込むと、その名を叫んだ。
    「ケイト――乗れ!」
    声に応えるように黒い魔物の群れから飛び出してきたのは同じく黒を纏うリーパーケイト。
    元々赤い瞳が怪しく光り、黒い布を翻しながら飛び出したケイトがオリバーの大剣に足をかけた。途端にズシリと体にかかるアウラの体重に筋肉が音をたてる。
    顔をあげ、賢具からの光を受けているケイトとオリバーの視線が合う。
    何をするかなんて説明はいらない、ただ一言、あればいい。
    「ちゃんと狙うんだよ?」
    「そっちこそ、変なとこ飛ばさないでよ」
    どちらからともなく挑発的な笑みを浮かべる、どちらも相手が失敗するなんて微塵も思っていない。
    オリバーが視線を戻し、全身に力を入れた瞬間、その体中の筋肉が膨張し血管が浮かび上がる。地面が抉れるほどの力とともにその大剣が唸りをあげた。
    空気を切り裂く音とともに黒い彗星が空へと打ち上げられる。
    魔物の頭上を流れる一筋の影、巨体のボスがそれに気づいて顔をあげた瞬間、死神の鎌が無防備にさらされた首を撫でた。
    ザッ
    ケイトが地面に着地するのと同時に、ボスの首が地面に落ち、ずしんと重たい音とともにその巨体が倒れる。
    突然の敵の襲来と指揮系統の消滅に混乱する敵に、布をとったケイトは静かに立ち上がり大鎌を構えた。
    魔物の群れの中での孤立、キャルムの張ったバリアの残り時間は26秒。
    しかしその表情に悲壮感はなく、ただその状況を楽しむようににやりと口元に笑みを浮かべていた。
    「――殲滅の時間だ」
    その一声と同時に、再び黒い布を纏った死神が大鎌を振るった、
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