探偵パロ「伏黒君、お願い、助けて」
伏黒恵は唯一尊敬する先輩である乙骨憂太からの電話をアルバイト先の事務所で受け取った。その声音は今まで聞いたことのないような弱弱しく、今にも泣きだしそうなものだった。だからすぐさま伏黒は事情を聞きつけて、彼のアルバイト先のボスを引き連れ乙骨の元へと向かった。
「な~んで僕がこんな離島に来なきゃなんないの~」
手ぶらでアロハシャツを着たグラサンこと五条悟は浮かれ切った格好のくせして不機嫌そうに嘯く。そんな様子に苛立つが今回ばかりは五条に来てもらわねばならない。なんせ彼こそが乙骨の求める助けに必要な伏黒のボスであり名探偵五条悟なのである。ちなみに五条が手ぶらなのは伏黒がすべての荷物を運んでいるからだ。背中には大きなリュック、両手には大きなトランク。伏黒の荷物は肩にかけたスポーツバック一つだから残りはすべて五条の荷物だ。お前は女優かと言いたい気持ちをぐっとこらえる。
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