五指を伸ばして、その先に「よっと……、協力に感謝する。変に暴れないでいてくれたおかげで運びやすかった」
「もがっ……!!ぜぇ、はぁ……っぜ…、ひ、人の口と鼻塞いでおいて…、あ、あんな、速さで……、か、海賊……!!」
「あはは、"海賊"か。面白いこと言うんだな。別に攫ったわけじゃないだろう?ここには、元々顔を出すつもりだったんだ……、」
広々とした、小高い丘だった。
色とりどりの花が美しく咲いていた。鳥が歌い、蝶々が戯れるあまりに美しい草原に、二つの墓石が並んでいた。そして、それらを取り込む様に無数の───主人を失ったカトラスや剣の類が無言で鎮座していた。
「ここは……」
「何だ、マルコは連れてきてくれなかったのか?」
下ろしたきり暫く噎せて込んだいたものの、すっかり立ち尽くすサッチを脇目に何処に隠し持っていたのか。取り出した酒瓶の蓋を、盃と共に取り出したシャンクスに、慌ててサッチは歩み寄る。
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