爪先を溶かす　雪解けの春、三月。もう時期新芽が生え揃う穏やかな気候は、大型低気圧の影響か崩れるに崩れザアザアと連日雨が降り続いていた。雨霰、増して雪。雪解けなど、春告など忘れたかの様に積もっていく。橘桔平は、大きな窓からそれをぼうっと眺めていた。
　部屋の中から見える漆黒と揺れる牡丹雪。稼働音を鳴らしながらも、外気の低さからちっとも温まらないエアコンの風……。何が特にある訳でもないが、漆黒の闇が不動峰のジャージを思わせた。あの輝かしくも熱いあの日々は、大人になった今になっても忘れることの無い永遠だと橘は思う。
「桔平、寒かけんカーテン」
「千歳帰ってきとったんか、悪か」
　さっきまで、確かに一人きりだったのに気配の一つもなく現れた千歳千里に橘は驚きの一つも見せずに言った。長年の付き合い、とも言えるし橘にとっても千歳にとってもこのなんとも言えない距離感こそが日常でもある。

蘭ココ【○○しないと出られない部屋】Episode1あれ？ここ、どこだ…起きたら、知らない場所にいた､えっと、たしか、さっきまでクソ灰谷兄が、請求してきた金を…(ズキンッ！
「いっ、、ッ」なんなんだよ、こっから、先が思い出せねぇ…思い出そうとするとすげぇ頭痛が、(ドン！)「！！(ビクッ )」急な音にびっくりした、な、なんだよ…
「あ〜、くそ、開かね〜」この声！、「お、おい、蘭か？」「あ？誰かいんの？」あ、蘭だ、でも、なんで、てか、この部屋暗くないか、ひとまず電気を…あった(パチッ
チカチカ、「うわ〜、まぶし〜」やっぱか、蘭だ「あれ〜？ココちゃんじゃーん」はぁ〜めんどくさい、よりにもよってなんでこいつなんだよ、「あ、ね〜、上見て〜」「あ？」げっ…最悪だ、【セ〇クスしないとでられない部屋】蘭は、、「ふ〜ん、セックスか、ココちゃんとでしょ？」なんて、呑気なこと言ってた、「はぁ〜、まじかよ… 」(キィーン)は？、放送？『あ、あ〜、聞こえますか？』「誰だてめぇ…」『あ、聞こえてるみたいだね､よかった、よかった、』…