Boy beyond the FINAL それは緑のような、黄色のような、淡い光だった。温かく、優しく、そして懐かしい匂いがした。
それが何かわからないまま、俺は声をあげた。誰かを呼ぶように、気付いてもらえるように。大きな産声を。
次に気付いた時には、俺は父母ではない誰かの腕に抱えられていた。彼らは俺を「晋助様」「晋助殿」と呼ぶ。光は小さな粒のようになって、そこらじゅうを漂っていた。
自らの足で立ち、話すことができるようになった頃、白い化け物を連れた長髪の男が俺たちを訪ねてきた。
「貴様は俺の忠実な部下で、共に攘夷活動に励んでいたのだ。これからも俺の命じるままに働くのだぞ」
俺は男の鬱陶しい長髪を掴んで毟り取ろうとしたが、ヅラじゃなくて地毛だった。
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