タイトルなんてまだない今日は付き合って初めて…その、致すワケなんだけど、男同士だし、色々調べて知識は得てきた。
やっぱりお互いに負担は掛けたくないからね。
先に風呂から上がった俺はベッドの上。
やたら緊張して無駄にベッドの上で正座なんてしてる。
ヤバい、口から心臓出そう。
バクバクする心臓を抑えながらドアの開く音に顔を上げると愛しい恋人の姿。
湯上がりで髪が少し濡れててほんのり肌はピンク色で。
それだけでもう、ヤバいのに。
俺を見て、そっとベッドの上に乗ってきた。
お互い正座をして見つめて、口を開く。
「「あの」」
あっ、被っちゃった。
「あべちゃんからどーぞ」
「いや、佐久間からどうぞ」
「「いやいやいや」」
なんてまどろっこしい押し問答に、もうせーので言おうよって話して。
一呼吸置いて、ふたりで「せーの」と
「「準備、してきたから」」
一瞬の間。
「へ?え?準備して…?え??」
「え?うええ??待って、準備してきた??え??」
お互いパニック。
だって、どっちが、なんて決めてなかったし、少しでも負担かけないように俺が抱かれようと思ってたから、なのに、まさかの!?
一旦2人とも落ち着いて、もう一度正座して向き合った。
「…佐久間、準備してくれたんだ?」
「あべちゃんも、その、準備してくれたんだね。てっきり俺、あべちゃんに抱かれると思ってたから、その、」
あうあうと顔を真っ赤にして佐久間は俯いた。
「ありがとう、佐久間。俺も、その…佐久間に負担かかるなら俺が抱かれても、って思ってたから…。…あ、なら、どっちもヤればいいんじゃん!」
「へ…?」
「だから、攻守交代で」
「こうしゅこうたい??」
「つまり、俺が佐久間を抱いたら、次は佐久間が俺を抱いて?2人とも準備してるワケだし」
…忘れてた、あべちゃんってこう突拍子もないこと言い出す人だった。