あなたがいるからフェルムコ家族構成
長男 ギン(銀)
フェンリルと人間のハーフ。耳としっぽはフェルさん譲りの銀色で少し発光する。魔力は人並みで耳としっぽを隠すのは苦手。顔立ちはムコさんで垂れた瞳はペリドット。舌が肥えているため味見役が多く料理好きになる。家族が大好き
スイとドラちゃんとは仲良し
長女 ミドリ(翠)
フェンリルと人間のハーフ。黒髪ロングで顔はフェルさんそっくりの美形。性格も似ている。ペリドットと茶色のオッドアイ。魔力が異様に高く全属性を持ち魔法も独学で習得。家族が大好き。
ゴン爺とは見た目と性格のせいでちょっと距離がある。ゴン爺並の酒豪
フェルムコは毎日ところ構わずキスするから子どもたちも真似してキスするようになる
兄妹どちらかが怪我したりトラブルに巻き込まれたりしたら両親より兄妹同士が過激になる
ムコーダと従魔契約しているので子どもたちとも会話、念話が出来るご都合設定
子どもたちの名前はムコさんが名付けたよ笑
あなたがいるから
奇跡が起きた。
ムコーダとフェルの間に子どもができた。それも二人。ムコーダは嬉しさで涙し、フェルもこれほどの幸せはないと何度もムコーダに礼を言った。
「フェルとの子…あは、また泣きそうになる」
腕の中で眠る我が子を見て泣くのは何度目だろう。何回泣いてもこの感動はなくならない。日を重ねるごとに幸福が増していく。
「…ふゃ…ん」
「あ、ごめんね。起こしちゃった?」
ぐずりそうになり慌てて身体を揺する。少ししたらまた静かに眠りについた。
ムコーダの隣ですやすや寝ているもう一人の我が子の頭も撫でた。どちらも、とってもとっても可愛い。
「かわいいな」
「本当に愛らしい」
「フェル。おかえり」
「うむ。今帰った」
旦那さんのおかえりだ。心の中でそう呟くだけでムコーダの頬が火照る。起こさないよう足音を消してムコーダたちを囲うようにして腰を下ろした。
「今日は何事もなかったか」
「うん。二人とも元気すぎて目が離せない」
「我も手伝えたらいいが…」
「フェルだってちゃんとやってくれてるよ。夜泣きには、いつもあやしてくれてる」
「風魔法でな。スイの遊びに付き合ったのがこんなところで役に立つとは」
「いいじゃないか。スイも真似して遊んでくれるし、ドラちゃんも嫌々だけどちゃんと相手してくれてる」
「爺も、すっかり爺になったものだ」
「あはは。みんな、すごく大事にしてくれてるよね。その分もっと感謝しなきゃいけないのに」
言葉にしたり心の中でも何百、何千としてきても全然足りないくらい助けてもらっている。だけど俺ができることなんてたかが知れてる。親として不甲斐ないなって思うよ。
「そう深く考えるな。みな、好きでやっている。お主はそれに甘えればいい」
フェルはよくそう言うけど、人間の俺としては考えちゃうんだって。そんなに甘えてばっかは、性格的にも無理だし。
「それより、我が子を見せろ」
「寝てるけどいい?」
「どんな姿でも良い。一日の終わりに見なければ眠りにつけん」
フェルはゆっくり子どもの方へ近づく。安心しきった穏やかな顔で寝ているとフェルも同じように朗らかとなっていく。
「こんなに子どもを愛おしいと思ったことはない」
「従業員の子どもたちを毛嫌いしてたもんな」
「自分の子となれば別だ」
「それは分かる。結局うちの子が一番ってなっちゃう」
「我らの子は世界一幸せ者だ」
幸せ者、かぁ。言葉にしてくれるだけでムコーダの心も幸せに満ちる。男であるムコーダにとって一生手に入れられない宝物を授けてくれたフェルに、それはこっちの台詞だよ。と呟いた。
「我も幸せ者だ。お主との子を持てて」
「俺も。フェルの子どもを産めて幸せ」
「また泣きそうになっているぞ」
「だって、毎日そう思うんだ。この子たちを見る度に、フェルと一緒にいる度にね」
元の世界だとこうはならなかったし、こんな気持ちなんて持てなかっただろう。フェルと出会ってフェルを愛し、愛されたから今の形になっているんだとムコーダは確信している。
フェルもそれは同じで、ムコーダに出会わなければ自身が親になると想像すら出来ていなかった。