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    さいとう

    イトアキの進捗とか勢いで書いたものとか
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    さいとう

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    イトアキ本しんちょく
    18000 まだまだプロット
    これは昨日の続きあたり

    「シーザー、ブレイズウッドで静かなところってどこだろう」
    「おー、プロキシ!もう来てたのか。静かなところなぁ……あるか?」
    「あるある、いっちばん静かなのはねえ、アイアンタスクの中だよ!」
    「…アイアンタスクの中?」
    「停めてる場所がブレイズウッドからすこし離れてるからな〜、いまは急ぎの運びもないし、プロキシに貸してやってもいいぜい」

    アイアンタスクの荷台を使えと言うことになったらしい。アキラに教えられたライトは肩を竦めたが、アキラはすなおに戸惑っている。それに気づいたのだろう、見たほうが早いとパイパーがアキラを連れて歩き出す。
    ガレージからはブレイズウッドが見えるが、離れているからたしかその喧騒までは届かなかったはずだ。
    パイパーがどこかに消えた。その数分後に見せられたのは、ふかふかのマットを敷かれた荷台だった。
    端には小さいがぎりぎり二人が座れそうなソファもある。背を倒せばベッドになるタイプらしい。冷蔵庫のかわりのクーラーボックスに、小さなローテーブル。型の古いラジオまである。まるで小さな部屋だ。
    「むかし秘密基地を作ろうとしたんだ〜、こうやって荷物を積めば、何も見えないって寸法だ」
    「へぇ、すごいな」
    「何を感心しているのかしら…。プロキシさん、これじゃあ郊外の夜は寒くて過ごせませんわよ!今すぐライトの部屋から必要なものを運んでしまうべきですわ。ライト、あなたもとっとと動きなさい!」
    「え、ええと、」
     ぽん、とライトはアキラの肩を叩いた。こうなったら無駄だ。ほぼ聞こえなくともだいたいの流れは察した。ルーシーが向かっているのはライトの部屋があるほうだ。つまり、この荷台に足りないものを運べと言いたいんだろう。たしかにあれでは、ライトはともかくアキラには足りないだろう。毛布と、枕と、水分もいるか。シャワーやトイレはさすがに用意できないから部屋に戻ればいい。あとはまぁ、思いついたものを持っていこうか。
    それからはアキラが驚くほどはやく、アイアンタスクの中に仮宿が整えられた。

    『…その、こんなつもりじゃなかったんだけれど。ごめんよ、ライトさん』
    『間違いなく半分以上があんたのせいじゃない』
    『…ふ、あったかいね』
    『どこから出てきたんだ…?このもこもこした布』
    『バーニスが引っ張ってきてたような。拾い物も役立つね、と言っていたから、…戦利品なのかな』
    『そのわりには状態がいいがな』
    『たしかに。手触りがいいね』
     ソファに敷かれたもこもこの布はブランケットにもなりそうな大きさだった。ソファからはみ出て広がっているのがちょうどいいと尻に敷いているが、それのおかげで地面からの冷えも免れそうだ。
     パイパーがよこした古い型のランタンは火ではなく電気でつくもので、それがほどよく中を照らしている。シーザーとルーシーが持ってきた使ってなかったらしいクッションが五つほど放り込まれていて、アキラはそのうちの二つを使って背を預けていた。
     まぁ、こうして寛げるのならいいか。
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    さいとう

    MAIKINGイトアキ
    1.5衣装のアキラくんがカジノのディーラーしてるところにライトさんがくる話 の2個目
    カジノがあるのはホテルの7階で、フロアを隅から隅まで使って展開していた。アキラはライトを改めて誘ってエレベーターへ向かう。カジノ専用になっていて、二階のロビーかさらに上階のレストランフロアにしか行けないものだ。
    「あんた、仕事抜けたのか?」「いや、上がったんだよ。もともと僕の契約は二十時までなんだ」
    いまは二十一時になろうという頃合いだった。ライトがゆるりと眉を上げる。「あなたとのゲームが楽しくてね。あ、残業も付くから安心してくれ」「…つまり、時間を忘れて楽しんでた、ってことか?」「ふ、そうなるね」「そりゃ嬉しいもんだ。俺も楽しかったからな」「それは、うん、あなた本当に楽しそうだった」
    エレベーターが止まった。十一階のフロアにはレストランが二軒と、バーが一軒ある。どれもパノラマ展望が売りで、もちろん味も良い。「料理の好みは?」「なんでも食うが、強いていうなら味は濃いほうがいいな」「お酒は飲まないんだったね。ならこっちにしようか」「ん、あんたに任せる」選んだ店に入りカードを見せた。カジノのスタッフだとわかると、店員があらかじめ押さえておいた席に案内してくれる。夜景が見られるテーブル席だ。ライトがちらりと外を見ている。高いところも大丈夫そうでよかったとその横顔に思った。細められた目は楽しそうだ。
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    さいとう

    MAIKINGイトアキ
    1.5衣装のアキラくんがカジノのディーラーしてるところにライトさんが来る話
    お上品なほうのカジノで雇われディーラーとしてルーレット台についてた1.5衣装のあきらくん、あまり見ない顔がいるなと気にしてたら目があって、(しまった、見過ぎた)ってなるんだけどとりあえず目細めてすいと逸らしておいたら、ルーレットが終わったあと別のテーブルに移動する時になぁって声掛けられて、
    「何でしょうか」「あんた、次はどこにつくんだ?」「――あちらです。お客様も挑戦されますか?」「ブラックジャックか。いいな、是非頼みたい」ではとテーブルに案内してカードを準備していたら、スツールに腰掛けた男がじいとこちらを見つめてくる。その目は賭け事の様子をうかがうものというよりも、興味や好奇心の類だろうか。カジノに合わないその雰囲気につい頬が緩みそうになる。「…カジノは初めてかい?」「あぁ。連れに誘われて来たが、ここはいいな」少しだけ砕けた口調にしても気にした様子はない、むしろその表情はうれしげだった。変わった男だと思ったが、こういった場に縁がないのなら仕方ないなとも思う。けれど、その仕草や気配が浮くというわけでもない。ここを知らぬくせに場慣れしているのだ。面白いなと思う。随分ひさしぶりに、アキラも興味を持った。カードを置いて、まだゲームを始めずにドリンクをうながす。「何か飲むかい」「酒はあんまりでな、何かあるか」「なら、カクテルテイストのジュースは?」「ん。甘いのがいい」その見た目で、とまた少し頬が緩んだ。背も高く、体格もいい。体のバランスも良くて、さっきから女性客がちらちらと彼を見ている。当の本人はそれらの秋波を歯牙にもかけないようで、サングラスの奥の目は楽しげにこちらだけを見ていた。
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