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    iorishin

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    「天地神明に誓う」のプロット9
    ふんわり坂高風味の 阿高。
    時系列は、江戸城流血開城後。
    城の中でのバトル中、阿国さんとのやりとりと未来への縁。捏造しかありませんが、頑張って考えましたよ〜!(自分的には割と好きな雰囲気の話です)

    天地神明に誓う 9「千両役者」
    ーーーーーー

    江戸城流血開城後、戦場と化した城内で
    阿国と高杉は敵に四方を囲まれ
    互いを背に激しく切り結んでいた

    ーーーーーー
    阿国
    「お構いなく! 高杉様ー」
    「自分の身くらいはこの阿国、守れますゆえ!」

    (高杉、阿国の死角の背後から迫った敵を
    ガキンと剣で切り伏せる)

    高杉
    「いいから下がってろ阿国くん」

    阿国(ぐぬぅとした顔で)
    (アーチャーなのに剣とは?!)
    「いかにもホーリーシット!
    女だからと舐めるんじゃございません!」

    「最新式に言い直しますと
    ハラスメントでございますよ!高杉様!」

    阿国
    「これでも千両役者!
    手助けは無用!!」

    (ザァン!!)

    高杉
    「ー残念だったな阿国くん!
    それは聞けない相談だ!」

    「時代錯誤と笑われようが
    男(おのこ)として生まれたからには
    誰より、強くありたいものさ!」

    「悪いが主役の座!
    千両役者の見せ場はー」

    「俺に、譲ってもらおうか!!」

    (宝具を発動する高杉)


    「超絶強化!奇兵隊!!」


    (広間を煙と爆風で吹き飛ばす高杉
    爆風で発生した煙幕により、
    追手は高杉たちの姿を見失う)

    阿国の心中(あれが、高杉様の宝具ー)

    高杉
    「おい!!
    こっちだ!阿国くん」

    「今はこの城全体が、封印結界になっている」
    「全ての敵対者を倒すことでしか
    ー解除されん」

    「だが流石に、
    いちいち全員の相手はしておれん」

    「手薄なところから とっとと逃げるぞ!」

    (高杉、阿国の手を掴み、誘導する)

    (結界により 永遠回廊と化した廊下を
    進む高杉と阿国)
    (城は結界の効果で
    徐々に魔境のように様変わりしていっている)

    「ーあんな「化け物ども」は
    坂本くんと、武市達に任せてしまえ」


    阿国
    「高杉様ー」
    「助けてもらったのには感謝致しますが」
    「それはあんまりでしょう?!」

    「ー血も涙もねえ、発言ですね!」

    「かっては国のため闘った
    同志でありましょう!
    仲間を放って 逃げると言うのですか?」

    高杉
    「あぁ逃げるね!」

    阿国(リアクション)
    「何ですとー?!」

    高杉
    「ーこんな所で死んでは
    大志など果たせれん!」

    「ー何かを時代に刻めるのは、
    いつだって、生き残ったものだけだ」

    (真剣な表情で前を向いたまま走る)


    「俺は自分の限界は十分にわかっている」
    (自嘲気味に)

    「ー負け戦はしない主義でね。
    退く時には退くべきだ」(茶化すように)

    「限界をわかっていないのは君だろう?
    少しは頭を冷やせ」

    (フイ、と顔を広間へ向け阿国に促す)

    高杉
    「ーあの数全て、相手にするつもりか?」


    (今や封印結界により、
    魔物の域と化したおどろおどろしい襖絵の上に鮮血が飛び散る)
    (1人、また1人と斬られるごとに襖絵は地獄絵図として増えてゆく)

    (鬼の形相で切り結び 志の下に血の海を広げてゆく凄惨な戦場。
    切っても切っても終わりなく続く 
    弱肉強食の狂った宴が大広間で続いている)

    高杉
    「各陣営の、伏兵すら全員切り結んでいる」

    「誰がやったか知らんが、
    鎧武者の絡繰など
    訳のわからぬ魔物まで引っ張り出してきた」

    「勝ちどきを見極めろ」
    「あっけなく犬死にするより
     逃げれる時には 
     とっとと逃げるぐらいで 丁度いいのさ」

    高杉(眉を寄せながら)
    「ーま、今の坂本くんのように
    ーとんでもない力があるというならー
    また話は別だが」

    (未来が視えるかのごとく、
    死角から切り掛かってくる敵を一人一人、
    切り伏せていく龍馬の姿が
    襖の奥、血煙の向こうにチラリと見える)

    (高杉は「相変わらず、曇りなき切れの良い太刀捌きだ」と、ぼんやり感心した後、
    複雑な表情を浮かべ ふいっと目を逸らす)

    高杉
    「君だって、ここで死ぬより前に
    意地を通したいことの1つや2つ
    …あるだろう?」


    阿国
    「……」

    「ーお気持ちも考えず、
    無礼なことを申しました。
    高杉様」

    「ー心よりお詫びを」

    高杉
    「あぁ、謝罪とかいいから」
    「今は全力で この場をー」

    「生き抜くぞ」

    (目の前に突然迫る
     異形の巨大な鎧武者
    ーそれに向かって鯉口を切る高杉)

    阿国
    「合点承知ー」

    「阿国流の舞、そのとっておきを 
    高杉様の御前にお見せいたしましょうー」


    (次々と現れる絡繰の鎧武者を
    ザンザブローとの連携で倒していく)

    (その姿は華麗な舞のようで、
    高杉の顔に笑みが浮かぶ。)

    高杉
    「ー狭い領域で宝具をぶっ放し続けるのも
    効率が悪くていかんな」

    (高杉がスラッと剣をひらめかすと
    絡繰は糸が切れたようにどんどん倒れてゆく)

    「仕方ない、こう見えて 剣も得意でねー」
    阿国くんの舞台に華を添えるとしようか!」

    (剣と舞の連携で
    絡繰達はあっという間に
    がらくたへと変わってゆく)
    ーーーー

    (しばらくの絡繰との戦闘ののち、
    知古とも切り結んでー
    隙を見ては間合いを取り逃れる二人)

    (そのとき突然 城内に、
    一際強い光が放たれ 大きな爆風が起きた)

    ーーーー
    (壁に叩きつけられ、吹き飛ばされた2人
    地面に倒れ伏している)

    阿国
    「う、ぐ…。」

    (起きあがろうとする阿国)

    阿国
    「高杉様ー。
    生きて、おられますか?」


    高杉
    「…どうやらな」

    「西郷くんや勝先生達と
    まともに闘うのはごめんだったんだがー
    どうにか生き延びた」

    「彼ら、礼装で強化を施してたとはいえ
    本当に人間か?」

    「だが、あのとんでもない閃光ー
    結局 坂本くんが何とかしたようだ」


    阿国(ボロボロの様相で)
    「高杉様ー」

    「助けていただいた このご恩、
    どのように お返しすれば良いかー」

    (礼を持ってひざまづく阿国)


    高杉
    「あぁ、そんなことはいいさー」
    (ぶっきらぼうに)

    「いや…」(悪戯気に閃いた顔で)

    「まぁそうだな。君がどうしても!
    どうしてもー(笑顔)
    恩を受けたままで
    気が咎めるというのならー」

    (ちょっと引き気味の阿国の顔)


    「ー僕の手助けを、してはくれないか?」

    阿国
    「ー手助け?」

    高杉
    「これからサイタマに
    新しく会社を作るつもりでね。
    ーそこの会社の秘書として、働いてほしい」

    阿国
    「はぁ、秘書」「労働ですか?」

    「ー命のご恩と比べると 
    まるでお礼が足りない気もしますがー」

    高杉
    「ならば、それに
    君の「舞」も加えていいかな」

    阿国
    「舞?」

    高杉
    「ーあの演舞、
    戦いの中においても いかにも風雅だった」
    「もう一度、見てみたくてね」

    (裏なくニコリと微笑む高杉)

    「まぁ勿体無いので
    これは「とっておきの時」に
    舞ってくれたらいい」

    「阿国の舞は、そりゃぁとても
    お高い舞なんだろ?」(悪戯気な視線)

    阿国 
    (高杉の気遣いに 明るく気を取り直して)

    「ふふん!
    勿論、超大人気の阿国さん!
    千両役者の舞ですから
    そうそう気安くホイホイと見せるものでは
    ございません」(流し目)

    「わかりました。
    では、高杉さまのとっておきの時に」

    「阿国の本気の舞ー」
    「御礼としてお見せいたしましょう」

    (舞台挨拶のように礼をする阿国)

    ーーーー
    (話を終え、去り際の阿国)

    阿国
    「あぁ、高杉さま」

    阿国
    「ー1つだけ」

    高杉
    「何だい?」

    阿国
    「男として生まれたからには
    誰より、強くありたいー と」

    「そう申しておりましたね」


    高杉
    「ーそれが何か?」

    阿国
    「あれは間違いでありましょう」
    (ふふん!と悪戯気な顔の阿国)

    高杉
    「は?」

    「ー今更ハラスメントで
    訴えるのは無しだぞ?
    秘書くん」

    阿国
    「敏腕秘書の 阿国さんが
    きちんと今風に言い直してあげましょう」

    阿国
    「高杉様は 本当は」

    「男(おのこ)として生まれたからには
    「龍」の隣に並び立つほど、強くありたい」

    「ーそう言いたかったのでしょう?」


    (断言され、目を丸く見開く高杉)

    「おい…」

    「阿国くんだから見逃すが…」

    「社長のゴシップに
    踏み込むような発言は
    秘書として嫌われるぞ?」(不貞腐れた顔)

    阿国
    「おや、中々ナイーブな社長様で」

    高杉
    「おい!!」(ムッとした顔)

    「おっと!失敬!
    阿国さんはそろそろ 次の公演がありますゆえ
    ー今しばしのお別れを!」

    「それではまた❤️」
    「お約束のサイタマの地で」

    高杉
    「おい阿国くん!
    さっきの発言はー」(少し慌てて)

    阿国
    「勿論阿国は 敏腕秘書ですから。
    口はかとうございますー …が」

    「こればかりは!
    社長の お給料次第にて!」(ウインク)

    高杉
    「なぁ」
    「君、立ち直り早すぎないか?」

    阿国
    「ノープロブレム!
    切り替えの速さは
    七変化の芸技にて!」

    「それでは 高額支給!期待しておりますよ!
    社長様!」

    (やれやれといった風の高杉)
    「給与は弾むから
    余計なことは言いふらすなよ…」

    阿国
    「承知いたしました!」
    「渡る世間も銭次第!
    流石社長は お話がお分かりになりますようで!」


    はーっとため息をつく高杉

    (振り向きざまに阿国)
    「そうそう」

    高杉
    「何だよ、まだ何か?」
    「ボーナスは君の働き次第だぞ」

    阿国
    「ー高杉様は、風雅なものがお好きなようで」

    高杉
    「む」

    阿国
    「ー私も同じでございます」

    「龍と麒麟が共に空を舞う姿ー
    この阿国、生きてるうちに見たいものです」

    (少し芝居がかった仕草。
    美しい立ち姿で見切ってくる)

    「この阿国、
    高杉様のご活躍を期待しておりますよ?
     ー何しろ「主演」なのでしょう?」 

    (ニコリと笑うと
    ザンザブローの肩に乗り
    宙へと跳ねる。
    「ザン!という掛け声と共に姿を消す)

    ーーーー

    (阿国が嵐のように去った後 1人呟く高杉)

    「阿国くんめ、好き放題言いやがってー」


    「龍の隣、ね」

    「ー口止め料として、阿国くんに払う給与を
     多めに用立てるか…」

    ーーーー

    (少しだけ龍馬の面影を思い出し
    思い詰めたような顔で考え込んだ後ー

    暗い考えを振り切るように 
    わざと明るく振る舞う)

    ーーーー

    「ーふむ、僕の宝具
     サポートスキルとしては
     いい線いってると思うけど」

    「どうも
    弓としての決め手にかけるんだよな」

    「ーいっそ、剣の腕でも磨いて
    セイバーにでも転職するか?」

    「そしたら槍の坂本くんなんて
     一太刀で!」

    (ブン!と刀を振り、ふざける高杉)


    「ふむ、まぁ 
    これは一案として考えておこうー」

    チャキっと剣を鞘に納め、歩き出す。
    (…岡田くんに
    本気で弟子入りするのもアリか)

    ブツブツと言いながら
    江戸の街の路地へと 
    消えゆく高杉の背姿で 引き。


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