その男の周囲だけ、空気がどうも淀んでいる気がする。

　カラフルな子供服売り場の前で、フードを深くかぶった黒いローブの長身の男が、真顔でプリチーな商品を吟味している。
　それ自体は何も問題はないはずなのだが、周囲のカップルや子連れの母親らは、その不気味な男を気味悪がって距離をとっていた。

　男はその冷たい目線を特に気にせず、可愛らしい犬猫のプリチーな服やグッズを手にとって眺めている。コップに描かれた、下手くそなユル可愛い犬猫のイラストを真顔で凝視しており、その鋭い眼に射抜かれ続けているユルい犬猫がだんだん可哀想に見えてくる。

　オージュ・ウォゲは、これまでの人生の中でいわゆる『可愛いもの』というものに、さほど興味がなかった。むしろ、真逆のものである『怖いもの』の方を好んで見たり、選んだり、買ったりしてきた。

[圣斗士LC][笛卡+赛奇x马尼+政军]不记得那些过去但未来是可以努力的 第三章 马尼戈特的仓库5希绪弗斯不需要艾尔熙德再说第二遍，立刻把背包甩到肩膀上，拉起对方的手，朝着酒店飞奔起来。
进到酒店房间里，金棕色头发的青年刚关上门，便感到自己被人拉着手臂转了个身，后背撞在门上。炽热的身体紧贴在他的身前，炙烤一般的呼吸摩挲着他的嘴唇。
“艾尔熙德……”
刚刚叫出对方的名字，对方的嘴唇便覆盖上了他的。从唇齿间纠缠的吐息中，隐约能够尝到一股甜腻的香味与混合在其中的血的铁锈味。焦躁的亲吻带动着牙齿刮破了希绪弗斯的下唇，他却并没有感觉到丝毫疼痛。或许是那甜腻的味道中包含着什么麻药一类的成分，能够让人忽视一切身体上的不适感，深深陷入追求快感的漩涡里去。
真是留下了麻烦的后手，想到这是那个魅魔的所为，希绪弗斯不由自主地用力吮吸了一下正在舔舐着自己的下唇的舌尖。出乎他预料的呻吟声传进了他的耳朵。这是一向在情事上十分隐忍的艾尔熙德从未曾有过的反应。